人力世界一周中の岩崎さん=熟連で手品とトークショー

岩崎さんが披露するマジックに見入る来場者の皆さん

 ブラジル日系熟年クラブ連合会(辺原良子会長、えばら・よしこ)はサンパウロ市の同会館サロンで6月27日午前11時から、人力世界一周中のマジシャン、岩崎圭一さん(51歳、群馬県出身)マジックショーを開催した。約80人がパフォーマンスを堪能し、最後に質疑応答も行い、自転車や手漕ぎボートで世界を回るという類まれな人生経験に聞き入った。
 まず岩崎さんによる手品ショーが30分ほど繰り広げられ、会場からは歓声がわき続けた。司会を担当した広瀬哲洋第1副会長は「年をとると驚くことが減りますが、今日は驚きました。見に来たかいがありましたね。世界一周中の岩崎さんに、旅に関する質問も受け付けています」と呼びかけると、次々に手が上がった。
 「どこでマジックを習ったのか」との質問には、「中学の先生がやってくれたのを見て、自分も趣味で始めた。旅先で披露していると投げ銭をもらえるので、旅先の道中でやるようになった」と答えた。
 「旅先の変わった体験は?」と聞かれ、「ネパールで偶然、中学で1学年下だった後輩に会い、盛り上がって二人の間では結婚しようみたいな話になったけど、彼女がご両親に相談したら反対され、ダメになりました」と豪快に笑い飛ばした。
 「世界一周するまで日本に帰らない」との誓いを立てて出国したのが28歳。「もう51歳になりましたが、こんなにたくさんの日本人の前で手品を披露するのはブラジルが初めてです」と当地日系社会を評した。
 来場者の中村あや子さん(80歳、岡山県出身)は「目の前で、こんなにビックリするような手品を見たのは初めて。すごくおもしろかった」と感想を述べた。同じく大矢進貞さん(84歳、神奈川県出身)も「マジックも見ごたえあったけど、世界一周の話も凄かった。手漕ぎボートで106日かけて大西洋横断とか、僕らでは耐えられないね。ここまでやれるんだという気構え、気持ちが凄い」としみじみ語った。

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