落下した木片が頭蓋骨貫通=6cmめり込むも深刻な障害なし

実際の頭蓋骨損傷の3D画像(Foto: Divulgação)
実際の頭蓋骨損傷の3D画像(Foto: Divulgação)

 リオ大都市圏のマンガラチーバ市で10日午後、建設作業員の頭部に木片が突き刺さり、頭蓋骨を貫通して6cmもめり込む重篤な事故に見舞われた。木片は右前頭葉を直撃していたが、奇跡的に男性の意識ははっきりしており、記憶障害も今の所ないという。11日付オ・グローボ紙など(1)(2)(3)が報じた。
 ヴィトール・ソアレス・ド・ナシメントさん(28歳)が建設現場で作業中、長さ約40cmの木製の杭が屋根から落下し、頭蓋骨を貫いた。すぐに病院に搬送され、頭蓋骨のCTスキャンにより、顔面骨折と深刻な脳挫傷が確認され、木片を取り除く緊急手術が行われた。約4時間に及ぶ手術は成功し、彼は現在、集中治療センター(ICU)で経過観察を受けている。
 手術を行ったアドン・ペレイラ・ヌネス病院の医師らによれば、患部は感情を司る右前頭葉であったため、後遺症が心配された。だが、ヴィトールさんの意識は明晰で会話もでき、記憶障害もなく、自分の名前や日付など簡単な質問には答えられているという。両手両足も動かせ、深刻な神経損傷は受けていないことが確認できた。
 執刀医のヴィニシウス・ゾグビ外科医兼神経科部長は、「右前頭葉に6センチほど入り込んでいたが、運動や言語といった重要な領域には達していなかったのが救いだった」と説明した。刺さった木片が砂や土で汚れていたため、破片を取り除く際に感染を避けるよう配慮する必要があったという。ヴィトールさんは右目に打撲傷を負っていたが眼球にも影響がなかった。
 この数日間で綿密な経過観察を行い、12日に新たなCT検査が行われ、進行状況が追跡される。刺さった衝撃で頭蓋骨が部分的に砕け、その骨片の一部は手術中に修復されたが、再配置できなかった部分にプロテーゼを移植するための手術が、回復後6~8カ月の間に行われる予定だという。

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