牛肉の霜降り度合いを示す牛脂肪交雑基準(BMS)で最上12レベルの和牛生産に成功したと聞き、サンパウロ市ヴィラ・カロン区に事務所を構えるケンスタール社(中矢レナト健二社長)を訪ねた。同社は1976年に和牛飼育を始め、現在はブラジル内4つの牧場で和牛の飼育を行っている。近年は遺伝子学を応用した生産法を取り入れ、肉質の向上を図っているという。
この日は中矢社長、経営責任者のアレッシャンドレ・ネルゲイロさん、中矢社長の孫で経営責任者補佐の中矢ヴィニッシオスさんから話を聞くことが出来た。ヴィニッシオスさんは現在19歳で、大学で経営学を学びながら同社で働いている。祖父の中矢社長に対し「祖父は事業を通じてブラジルに大きな影響を与えている。誇りに思っています」という。会社の次世代を担う頼もしい存在だ。
ヴィニッシオスさんによれば、同社の所有する牧場で一番大きいものは、南麻州カンポ・グランデにある牧場で、広さは約60haもあるという。飼育頭数は、和牛事業開始当初は日本から輸入した3~4頭だけだったが、現在では純血種、混血種合わせて899頭を育てている。
同社では近年、遺伝子学の研究に注力し、同分野の研究成果を和牛の肉質向上に役立てている。和牛は筋肉内に脂肪を蓄積する性質が強い。その性質をさらに強める生産法を取り入れたことで、2019年にはBMSレベル9までしか生産できてないかったところを、22年にレベル11、24年に最上レベル12の生産達成を果たした。
アレッシャンドレさんは「和牛のポテンシャルはまだまだあり、今後も肉質を向上させていきます」と自信を覗かせる。一方で「ブラジルではすき焼きやしゃぶしゃぶ等の肉を薄く切って食べる習慣が浸透していないので、脂の多い和牛を美味しく食べる料理法を知ってもらうことが課題となっています」という。伯国の定番料理シュラスコに和牛を使う場合は、「BMS3~5レベルのものを選ぶととても美味しく頂けます」と語った。
同社和牛製品の購入は、サンパウロ州サン・ベルナンド・カンポ市の精肉店「Empório Lunardi」や、聖市サンタテレジーニャ区の精肉店「Casa de Carnes Fernandes」、オンライン牛肉販売サイト「ebeef」などから可能だ。
■会社情報■
◆kenStar
【電話】(11)95954-2222/11-4801-7775
【Eメール】admin3@kenstar.com.br
■販売店■
◆Empório Lunardi
【住所】R. Joaquim Nabuco, 719 – Centro, São Bernardo do Campo – SP
【電話】11-4339-4644
◆Casa de Carnes Fernandes
【住所】Afonso Schmidt, 759 – Santa Terezinha, São Paulo
【電話】11-2959-7207/11-94941-2000
【サイト】https://www.carnesnobresfernandes.com.br
◆ebeef
【サイト】https://www.ebeef.com.br