ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)が12~14日にサンパウロ市で開催した世界最大規模の日本文化イベント「第25回日本祭り」では、ゲームや漫画、ポップカルチャーが楽しめる「アキバエリア」と「FJTAWN(Festival do Japão Tá online)」エリアがブラジル人青年たちの人気を集めた。
アキバエリアには、日本から直接取り寄せた人気アニメ『ガンダム』や人気漫画『ナルト』の大型フィギアアや、幼少期を日本で過ごした人には馴染み深い玩具販売機「ガチャガチャ」などが並べられた。
ガチャガチャは一回30レアルからの高価版だが、人気アニメのフィギュアなどが入っており、人気を博していた。来場者のアウローラ・ヴァイセスちゃん(4歳)は、どのガチャガチャを試そうかと何度もガチャガチャの前を行き来。父親のラファエルさんは「娘は普段からリベルダーデ区にあるガチャガチャが大好きで、今日もガチャガチャを見つけてはすぐにおねだりされました」と笑顔で話す。
会場にガチャガチャを設置したのはアニメ・漫画グッズ専門店「アキバステーション」。同店責任者のオリバーさん(36歳)によれば、ブラジルに日本文化を普及させたいという気持ちから昨年、自店舗でのガチャガチャ設置を始めた。オリバーさんは日本に行ったことはないが、ネットを通じて「ガチャガチャ文化」を知ったという。「ガチャガチャは店でも日本祭りでも大好評です」と満足気な表情を見せた。
FJTAWNは、コロナ禍をきっかけに、県連と若者、デジタル文化を繋ぐコミュニティ創設の必要性が高まり、2年前に新設された。会場では来場者参加型カラオケや作家による漫画やグッズの販売が行われ、18歳~35歳の若者を中心に人気を博した。
同エリアの新設を担当したルイス・ジュン・ウエハラさんは「『日系、非日系問わず楽しく過ごせる場を』という思いで作りました。新たなコミュニティが生まれたことで、ブラジルのポップカルチャーは更に活性化しています」と述べた。
同エリアに今回初めて出展した漫画家兄弟のブルーノ・パスカトさん(31歳)とルイスさん(37歳)は自身の作品を販売。ブルーノさんは「自分が客として来ていた時は『面白いな、凄いな』という感想でしたが、今回は作家同士のネットワークを作ることが出来、ビジネス的な観点からも充実感を覚えています」と興奮しながら語った。2人は子どもの頃、ゲーム「ロックマン」に夢中になり、現在の作風にも影響があるという。当時2人で構想した物語を漫画にしているという。
また、アニメ「Fate/Grand Order」のキャラクター・エルキドゥのコスプレをして同エリアを訪れたトーマスさんは「FJTAWNに来るのが毎年の楽しみになっています。直接、作家と会い、作品を購入できることが彼らにとっても私たちにとっても、非常に良い体験となっています」と話した。