世界人口の3%の国で殺人10%=レイプ被害13年で2倍に激増

ブラジルの殺人率は10万人あたり22・8件と高水準(Foto:Maxim Hopman/unsplash)
ブラジルの殺人率は10万人あたり22・8件と高水準(Foto:Maxim Hopman/unsplash)

 2023年のブラジルの殺人件数は前年比で3・4%減少し、2011年以来の最低数になった。しかし、依然として10万人当たり22・8件という高い殺人率が続き、世界平均5・8件の約4倍にもなる。殺人の約1/3は銃によるもので、特に黒人とパルド(褐色人)が暴力死の78%を占める。だが同年、強姦事件では記録を更新し、前年比6・5%増の約8万4千件が記録された。6分間に1人の割合で被害に遭っており、被害者の62%が13歳未満だという事実も明らかになった。18日付CNNブラジル(1)(2)が報じた。
 18日に発表されたブラジル治安フォーラム(FBSP)の年次報告によると、23年の殺人件数は4万6328件が記録され、2011年以来初めて、年間殺人件数が4万7千件を下回った。
 しかし、FBSPのレナト・セルジオ・デ・リマ事務局長は、この指標はまだ適切基準にはほど遠く、「ブラジルは世界人口の約3%を擁する国だが、地球上で発生する殺人事件の約10%を占めている」と指摘した。
 ブラジルは17年、意図的な暴力死のピークに達した。この指標には故意の殺人、女性殺害、強盗殺人、人身傷害に続く死亡、警察官殺害、警察の介入による死亡が含まれ、その数は6万4079件を記録した。
 18年以降の殺人数の減少率が27・7%であり、ラテンアメリカとカリブ海地域の中でも顕著な改善が見られている。だがブラジルの殺人率は依然として高く、人口10万人あたりの殺人件数は22・8件で、同地域平均の19・2件よりも高い。
 しかも1/3は銃殺だ。同報告によると黒人と褐色は意図的な暴力死の全体の78%を占めているが、警察による介入の犠牲者ではこの割合が82・7%に上昇する。警察の介入で黒人が死亡するリスクは非黒人の3・8倍だという。
 10万人当たりで最も高い殺人率を持つ自治体はアマパ州サンタナ市で92・9件だった。同市は22年には31位だったが、地元港の支配権争いとそれに伴う警察介入の死亡者数が、増加に影響したと見られる。
 バイア州には国内で最も暴力的な10の自治体のうち、カマサリ、ジェキエ、シモエス・フィーリョ、フェイラ・デ・サンタナ、ジュアゼイロ、エウナポリスの6都市が集中しており、これは最近の報告でも共通している状況だ。
 一方、強姦事件では前年比で6・5%増の8万4千件を記録し、11年の4万4千件と比較すると、この13年間でほぼ2倍となった。被害者では女性が88・2%を占め、そのうち52・2%が黒人だった。男性被害は11・8%だ。
 女性被害者の17歳までが全体の77・6%、13歳以下に絞ると61・6%だった。加害者の84・7%が親族や知人であり、61・7%が被害者宅で犯行が行われていることが判明した。
 10万人あたりの発生率は全国平均で41・4件を記録し、ロライマ州が一番多くて112・5件、ロンドニア州の107・8件、アクレ州の106・9件と続いた。
 研究によると10〜13歳への被害発生率は10万人あたり233・9件で、全国平均の約6倍だ。また0〜4歳への乳幼児に対する被害率は10万人あたり68・7件で、全国平均の約1・6倍となった。

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