聖母婦人会に感謝、未来へ祈り=サントス強制立退き者追悼ミサ

追悼ミサで思いを語る宮城代表。右奥は尾島神父

 サントス強制立退き者追悼ミサが14日午前8時からサンパウロ市セントロ区のサンゴンサーロ教会で執り行われた。戦中戦後のブラジル日本移民迫害への伯国政府による公式謝罪について、25日に行われるブラジリアの恩赦委員会での審議が注目されている。
 ミサには聖母婦人会(吉田ローザ会長)メンバーをはじめ、ブラジル沖縄県人会の島袋栄喜元会長、宮城あきらブラジル沖縄県人移民研究塾代表、サントス事件を描いたドキュメンタリー映画『オキナワ サントス』の松林要樹監督ら約50人が参列した。
 追悼ミサは、毎週日曜日午前8時からの日本語ミサの中で執り行われた。尾島記代治(おじま・きよはる)神父は、現在発生しているウクライナ戦争やイスラエル軍によるパレスチナ自治政府のガザ地区侵攻などの悲惨さを訴え、過去の人間同士の争いや差別、文化の違い等がサントス強制退去事件につながったことにも言及。「大切なのはお互いの話し合い」と述べ、先人への思いとともに神への祈りを捧げた。
 登壇したブラジル沖縄県人移民研究塾の宮城代表は1943年7月8日に約6500人の日本人が強制的に退去させられたサントス事件を振り返り、「今日はそうした皆様に対する追悼の日」と強調。その上で、「戦争当時、(聖母婦人会創設者の)渡辺マルガリーダさんが日本人を救済するために大変努力され、多くの方々が救われたと聞いております。聖母婦人会の皆様の活動に改めて感謝申し上げるとともに、子孫のために新しい道を切り開いていけるよう祈りを捧げたい」と思いを語った。

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