池坊が佐々木康人講師を派遣=26日に無料の一般公開デモ

池坊4支部の皆さんと佐々木康人講師(中央)

 華道家元「池坊」(46世 池坊専好せんこう)は、20カ国で指導してきた経験を持つ池坊中央研修学院教授の佐々木康人(やすと)さん(65歳、北海道出身)を講師として派遣し、ブラジル4支部合同生け花講習会を行う。
 佐々木講師はすでに米国、カナダ、ミャンマー、ベトナム、アラブ首長国連邦、タイ、シンガポール、マレーシア、オランダ、スイス、英国、スペインなどで指導を行ってきた。ブラジルは今回初めて。
 佐々木さんは「聖徳太子の時代に始まった池坊ですが、時代に合わせた花をクリエイトできたから、今まで生き残ってきました。だからその国にある花材を活かして、池坊の精神で生けています。日本で始まった池坊ですが、外国ではその地に合わせて変わります。それがないと発展しない」と海外普及の極意を説明した。
 さるサウデの王族に指導した際、本人が花に触らずに召使いに生けさせていたため、「ご自分の手で生けてこそ、生け花です」と意見し、自然との触れ合いが欠かせない日本文化の心を伝えた経験があるという。
 佐々木さんは「日本なら花屋に注文すれば花材をまとめて届けてくれる。でも外国では指導者が市場に花を買いに行き、枝はどこかの農場にとりに行くなど手間がかかる。海外支部の皆さんはとても大変なことをしていると、家元もご存じです」と説明した。
 池坊華道会南米支部の高田和枝支部長は、「ブラジルへの派遣は約40回目になります。パンデミック前の2018年が最後でした。本当にありがたいです」と感謝の言葉を述べた。
 21日にブラジル訪問、22日は新聞社訪問、花市場視察。ブラジル日本文化福祉協会1階で23日は南米支部(高田支部長)向け、24日は同ブラジル支部(河村徳子支部長)向け、25日は同南米パラナ支部(池田隆支部長)向けに生花正風体、新風体の講義・実技が行われる。
 さらに26日(金)14時から同貴賓室で無料、誰でも観覧できる派遣講師によるデモンストレーションも行われる。

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