ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部(上原マリオ正会長)は8月3~4日、サンパウロ市の同支部会館前ハロルド・ダウトロ広場で「第20回おきなわ祭り」(上原博実行委員長)を開催する。19日、実行委員会一行5人が同祭告知のため編集部を訪れた。同祭は例年約3万人が訪れる南米最大規模の沖縄系イベントとして知られている。
昨年は沖縄移民115周年記念行事の一環として開催され、母県から照屋義実副知事や赤嶺昇県議会議長、アーティストの宮沢和史さんらも参加して盛大に開催した。
今回のテーマは「団結一心」。会場では二日間にわたって、与那嶺道場などによる200人琉球空手の演武、琉球太鼓や琉球古典音楽、琉球舞踊、琉球筝曲、三線などの沖縄芸能に加え、カポエイラ、太極拳の披露が行われる。
食の広場には屋台が並び、沖縄料理のヒージャー汁(ヤギ汁)やアシテビチ、沖縄そば、お菓子のサーターアンダギーやナントゥ(餅)などの販売が行われ、毎年長蛇の列が出来る。上原実行委員長は「ここでしか食べられない懐かしい沖縄郷土料理が食べられると好評です。プレジデンテ・プルデンテからはバス1台を借りてやってきますよ。ぜひ皆さん食べに来て」と呼びかけた。
同県系人の間では市町村会の活動も活発で、当日はそれぞれの研修生OBなどが各郷土の観光地や歴史を紹介するコーナーも設置される。ビンガタなどの沖縄文化紹介も行われるという。
今回出演予定の太鼓奏者は総数800人で、うち600人が今回創立25周年を祝う創作エイサー「琉球國祭り太鼓」ブラジル支部のメンバーだ。両日午後3時20分から1時間、中央舞台で記念演奏を大人数で盛大に繰り広げる。
同25周年実行委員長の大城直美(おおしろなおみ)さんは「浦崎先生(2011年没)の顕彰として盛大にやりたい」と語り、ブラジル全土に600人いるメンバーのうち500人が当日参集して演技を見せる。全11支部のうち7支部がサンパウロ州、パラナ州2支部、南麻州カンポグランデ、ブラジリアに各1支部あるという。今回は特別にアルゼンチンからも9人駆け付ける。
創立の発端は1991年に母県を訪問した小禄村(現那覇市)出身者子弟たちが中心となって、サンパウロ市ビラ・カロン区で琉球國祭り太鼓の指導を始め、92年に小禄田原移住75周年の記念として16人の子供たちによって初めて披露されたことだ。正式な発足は日本移民90周年の98年で、そこから数えて25周年だという。当日は特別ブースが設けられ、歴史展示やTシャツ、カップなどの特別アイテムの販売も行われる。
なおこの祭りとは別に、同祭り太鼓の沖縄本部主催で3日24時から4日午前1時まで、世界の支部がオンラインでつながって同時に1時間演奏する世界一斉イベントが開催される。ブラジルからはニッポン・カントリークラブのサロンを会場に200人が集まって同時演奏する予定。