「熱帯に雪?!」―ブラジル北東部マラニョン州サンルイス市の観光名所でクモが大量発生し、地元住民や観光客を困惑させている。無数のクモの巣が連結して樹木全体に薄くかぶさって雪かベールの様に覆い、それが草むらや街灯や建物までを覆い尽くしており、掃除してもすぐに現れる。この現象は2017年以降4回以上発生しており、今回は最も大規模だと25日付G1サイト(1)が報じた。
クモによる被害を受けている場所は、ユネスコ世界文化遺産「サンルイス歴史地区」に位置するジャンセン湖周辺。ここは世界中から観光客が訪れる風光明媚な名勝、真っ白な砂丘に雨期になるとエメラルドグリーンの湖が現れる大砂丘「レンソイス」の玄関口としても知られている。このレンソイス・マラニャンセス国立公園は26日、ユネスコ世界自然遺産に認定されたばかりだ。(2)
約1カ月前に数百万匹のクモが大繁殖し、木の梢からベールのように垂れ下がるクモの巣が小さな植物を包み込み、草むらに広がり、柱や建物などあらゆる場所を占拠している。
理髪店を営むイゴール・ネヴェスさんは、毎日クモと格闘している。「おぞましい見た目が顧客に不快感を与えます。掃除しても翌日には元の状態に戻るので困っています」と語った。同市でこの現象が起きたのは今回が初めてではない。世界文化遺産に登録された2017年以来、少なくとも4回繰り返されているという。
マラニョン連邦大学(UFMA)生物学部のマカリオ・レベロ教授は、「これはテトラグナータ属のクモで人体には無害です。彼らは巣を作る能力に長け、非常に精巧な網を張ります。風が巣の断片を運ぶため、発生範囲が広がるのです」と説明する。
この現象には主に水質汚染が関わっており、湖の水が汚染されるほどクモの餌となる虫が大量発発生する。その結果、クモはより容易に繁殖するのだという。
一つのクモの巣には約180個の卵があり、数週間で急速に増殖する。ただし、この現象は今後2カ月で減少すると予想されている。レベロ氏は「餌である蚊が減少するに伴い、クモも減っていくでしょう」と述べた。