弱冠16歳、五輪メダルに最も近いブラジル人選手の1人、スケートボード・ストリート競技のライッサ・レアルは、東京以来2個目のメダルを目指し、28日(日)にパリで挑戦する。現在までの大成功が「まだ実感できない」と話しつつも、競技への恐怖を克服しながら成長を遂げる姿が、多くの女の子たちにインスピレーションを与えている。普通の10代としての生活も大切にしている彼女の等身大の姿を24日付レコルジ・セッテ(1)が報じた。
2021年の東京五輪の時、わずか13歳で銀メダルを獲得したライッサは、「ブラジルに金を持ち帰りたい。首位で表彰台の一番上に立って国旗が上がり、ブラジル国歌が流れる瞬間を感じたいの」と語る。
ブラジル北東部マラニョン州出身の彼女は、8歳の時にディズニー作品『ピーター・パン』に登場するティンカー・ベルの衣装を身につけてスケートを滑る動画がSNSで拡散され、その愛らしい姿が大注目を集めた。「ファジーニャ(小さな妖精)」とのニックネームを得て急速に頭角を表し、スケートボード界の若きスターになった。
世界的に知られる彼女だが、自分が他の少女にどんな影響を与えているのかよく分からないと言う。「自分が多くのことを成し遂げたと言われても、実感できないの。だって私にとってスケートはただの楽しみだから」と話す。
彼女は「自分は他の10代の少女と変わらない」と話し、「誕生日会やパーティーなど色んなイベントに参加するわ。学校にも通って勉強をしなくちゃね」という。夢を訊かれると「いくつかある。その一つは五輪で金を獲得すること。パリかもしれないし、その次の大会かも。でも金が欲しい。もう一つの夢はギリシャを旅することなの。すごく美しくてずっと行きたいと思っている」と目を輝かせた。
スケートについては「小さい頃はそれがスポーツだって知らなかった。私にとってスケートはライフスタイルなの。アスリートとしてトレーニングが辛いと思ったことはなくて、ただ楽しんでいるだけ。重要な大会に出場するために必要な技は練習しているけど、それはただの楽しみなの」と話す。「もっと進化して難しい技を成功させたい。五輪は4年に一度だけでしょ。人生の中で限られた機会だから恐れずに全力を尽くし、心から楽しむことを最優先している」との思いを語った。
自分が「スケートボードを始めたきっかけだ」と言われることが増えてきたと驚く。「全てがあっという間だった。私にとってちょっとクレイジーね。女の子たちが『あなたのおかげでスケートを始めた。五輪で見たから』と言ってくれる。私もレチシア・ブフォーニに憧れて、彼女のスタイル、服装、乗り方に影響を受けた。彼女をインスピレーション源にしていたわ。だから他の子達に良い影響を与えられることは、私には特別なこと。毎日のモチベーションになるわ」と言う。
「時が経つにつれてスケートが仕事のようになってきたけど、ただの楽しみだってことは変わらない。選手としての責任感は持っているわ。毎日忙しいけど全然苦じゃない。大好きなスケートのおかげで、すべてがスムーズに進む感覚がある。どこに行っても新しい体験があってとても幸運。確かに普通の10代とは違う点もあるけど、家族や友人は変わらず普通に接してくれるわ」と明かした。
将来の目標について訊かれると、「小さい頃は獣医になりたいと思ってた。だから大人になったら医師の資格を取りたいと思っている」と意外な夢を語ってくれた。