「一期一会」で絶品コーヒー体験=世界最高レベルの技を披露=バリスタの石谷貴之さん

バリスタの石谷貴之さん

 サンパウロ市リベルダーデ区のホテル「ニッケイパラセ」内カフェ「一期一会」で22日、日本チャンピオンシップを3度獲得し、今年、韓国・釜山で開催されたワールドチャンピオンシップで3位となったバリスタの石谷貴之さんによるイベント「コーヒーおまかせ」が開催された。一般公募客向け、招待客向けの2セッションが行われ、約30人が参加、世界最高レベルのコーヒー技術を堪能した。

イベント「コーヒーおまかせ」の様子

 石谷さんは23歳の頃、淹れ方によって味が変わるエスプレッソの奥深さに目覚め、バリスタを志すようになった。一方で、強い酸味が苦手で「実は今でもコーヒーは少し苦手」と笑いながら話す。
 バリスタとなって一年後、初めて「Japan Barista Championship」に出場し、6位に入賞した。2012年には独立し、バリスタとして活躍しながら、ショップのディレクションやバリスタ育成、イベント内でのコーヒーサーブ、セミナー開催など幅広く活動するようになった。近年ではコーヒーアイスクリームの監修やCM出演など活動の幅はさらに広がっているという。

石谷さんのコーヒーを楽しむ参加者

 石谷さんは「最初は自分の力を試す為にコンテストに出場していましたが、今は自分を助けてくれた人達への恩返しの気持ちで出場しています。日本でバリスタはソムリエに比べて認知度が低いです。バリスタという仕事がもっと誇れる職種になるよう人材育成にも力をいれていきたいです」と話した。
 今回の来伯は、釜山で行われた世界チャンピオンシップ上位バリスタら10名を招いたコーヒー農園ツアーの参加で実現した。
 ブラジルには14日に到着し、サンパウロ州カンピーナスにあるダテイラ農園で、収穫や栽培、コーヒーを作るまでの過程を一通り経験してきたという。「ダテイラ農園では、様々な品種を育てたり、土地にあっているのかなど最新の研究がされていて発見ばかりでした」と話した。21日には、ツアー参加のバリスタ仲間らと別れ、サンパウロ市へと向かい、22日の「コーヒーおまかせ」に参加した。
 今回行われたイベント「コーヒーおまかせ」は、カフェ「一期一会」創設時の監修者であるマルシア・ヨウコ・シモサカさんが日本在住時に、石谷さんと交流があったことから企画された。2人は日本で「いつかブラジルで会おう」と約束をしており、今回その約束が果たされることになった。

提供された石谷さんの淹れたてコーヒーとカフェ「アマイ」の柚子アールグレイロールケーキ

 イベントでは石谷さんによる、エスプレッソ、マキアート、抽出コーヒー、ネグローニコーヒーノンアルコール、エスプレッソマティーニのフルコースが提供された。また、付け合わせとして一期一会の生チョコと苺大福、カフェ「アマイ」の柚子アールグレイロールケーキ、カフェ「ハナミ」のレッドフルーツのせ豆腐チーズケーキが提供された。
 来場者からは「石谷さんのおかげで新しい知識を得ることができ、非常に充実した時間を過ごせました」、「コーヒーを『おまかせ』で楽しむのは初めてで、様々な味を楽しむことができて面白かった」など多くの好評が寄せられた。

イベント後、一期一会の従業員にコーヒーの淹れ方をレクチャーする石谷さん

 一期一会オーナーの池崎山田セレナ貴子さんは「一期一会でおまかせ形式のイベントを開催したのは今回が初めてだったのですが、多くの好評を頂くことができ嬉しく思います。一期一会では今後もこうした皆さんに喜んで頂けるイベントを行っていきますのでぜひ楽しみにしてください」と話した。
 石谷さんは今回の来伯について「ブラジルに来る前はサッカーや陽気な国という印象しかなかったのですが、実際に訪れてみると沢山の日本食レストランと日本語話者の方がいて、日本文化の浸透ぶりにびっくりしました」と笑顔で語った。

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