サーフィン因縁対決に口出し=ネイマールが五十嵐からかう

五十嵐カノアの投稿をリツートしたネイマールの投稿(7月30日付グローボ・エスポルテの記事の一部)
五十嵐カノアの投稿をリツートしたネイマールの投稿(7月30日付グローボ・エスポルテの記事の一部)

 7月29日に行われたパリ五輪サーフィン競技の準々決勝、ブラジルのガブリエル・メジーナと日本の五十嵐カノアの対決は、多くのサーフィンファンの注目を集めていた。両者の間には、東京五輪以来、強いライバル関係があり、お互いを意識するコメントをSNSに投稿する様子が注目を集めており、そこにサッカーのネイマールが参戦して意外な展開を見せたと7月30日付CNNなど(1)(2)が報じた。
 五十嵐カノアは東京2020大会の準決勝でメジーナを破って銀を獲得し、その際の挑発的なコメントが波紋を呼んだ。この試合でメジーナは自身の得点の低さに納得がいかず、ジャッジの基準に文句を言った。その直後、五十嵐は自身のSNSに「まあ、泣けよ。泣け泣け! 僕は嬉しいね(笑)」とポルトガル語で投稿し、メジーナ本人やブラジル人ファンから反感を買っていた。
 「子供をサーファーに」ひいては「世界に通用する人材にしたい」という両親のもと、カノアは米国カリフォルニア州で生まれ育った。3歳でサーフィンをはじめ、英語と日本語のほか、ポルトガル語・スペイン語・フランス語も喋れるマルチリンガルだ。大会出場のため幾度もブラジルを訪問しており、2015年の大会では優勝するなど好成績を収めている。その際、ポルトガル語でインタビューに応じ、ブラジル内での知名度が高まっていた。
 東京五輪当時、メジーナは自身のSNSに「負けてしまったことは正直に悲しい。理解できないこともあるけど、こうならざるを得なかったんだと思う」と投稿し、その後も2人のライバル関係は続いた。
 そして、パリ大会で再び直接対決が実現。メジーナは、17・40対7・04という圧倒的なスコアで五十嵐を下し、準々決勝は幕を閉じた。勝利後メジーナは、天を指差しながら空中を飛ぶ一瞬を捉えた奇跡の写真と共に、「私を強めてくれる人たちによって、全てのことが可能となる」という言葉で喜びを投稿。この写真は世界中で話題となり、数多くのコメントが寄せられた。
 その中には日本のサーフィンファンからの反応もあったが、特に注目されたのはブラジルのサッカー選手、ネイマールの投稿だった。ネイマールは、五十嵐がメジーナに勝利した東京五輪後の挑発的な投稿を共有し、「こんにちは、友達(笑)」というコメントを付けて、からかった。ネイマールとメジーナは長年の友人であり、同じアスリートとして、大会中にお互いを支え合う仲だ。今回の挑発はメジーナを応援するネイマールの遊び心から来ていたとされる。
 サーフィンの世界チャンピオンに3度輝いたメジーナは、準々決勝で同胞のジョアン・シアンカと対戦し、これに勝利すればメダル争いに加わることになる。
 一方、アル・ヒラルのストライカー、ネイマールは膝の大怪我から回復中で、ピッチに戻るのは9月になる予定だ。

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