特別寄稿=五輪大会の話 その四=サンパウロ 酒本恵三

 早いもので今年もパリ五輪大会が始まり、日々各種目にて各国の代表選手らによる個人戦や団体戦で手に汗握る熱戦が繰り広げられています。三年前の東京大会にも大分記事を書きましたが、今回もまた色々書こうと思います。
 さて今この記事を書いている時点で、大会も半ばを過ぎました。色々な種目での日本やブラジルの選手の活躍を時間の許す限り、様々なメディア(テレビや新聞、ネット)で見てきました。
 特に印象に残った試合や競技について話したいのですが、先ず頭に浮かんだのは、前回の東京五輪では日本やブラジルを含めた主な国々がそれぞれどれだけのメダルを獲得したのかと言う疑問でした。それでネットで調べてみました。
 さらに、今回のパリ五輪大会でのメダル予想獲得数を調べ(ニールセンのGracenoteのVMT予測〈https://www.nielsen.com/ja/news-center/2024/virtual-medal-table-forecast/〉)次の表にまとめました。(この記事が新聞に載る頃には、既に実際のメダル獲得数が分っているかもしれませんが)
 この表によれば、今回のパリ大会も相変わらずアメリカが金メダル獲得数やメダル合計数においてもトップの位置が予想されている。だが中国がくらいついているので油断は禁物。
 日本の金メダル予測獲得数が今回は東京五輪に比べて随分と少ない。これは一般に自国開催の場合はその前後の大会と比べてより多くのメダルを獲得するという現象がおこるためです。
 理由は時差や食事、練習環境などでストレスが少なく、地元の熱い応援を力にできるなどのメリットがあるためらしい。
 面白いのは、今回は自国開催のフランスが日本と入れ替わり、27個の金メダルを獲得し、順位も3位と予測されているところです。(日本は東京大会で27個の金メダル獲得し順位が3位だった)
 ブラジルは東京大会では7個の金メダルを獲得し、順位も12位でしたが、今回の予想では8個の金メダルと順位が11位であまり変わらない。実際は、7日午後7時時点で金2個、銀5個、銅7個となっていて低調です。もう少し良い結果が出る様に祈りたいですね。
 次に日本勢はどの種目で金メダルが予想されているのかを見てみましょう。読売新聞によると次の種目が有望らしいです。
 陸上 北口榛花 女子やり投げ
 陸上 池田向希 男子20キロ競歩
 フェンシング 江村美咲 女子サーブル
 フェンシング 日本 男子フルーレ団体
 体操 橋本大輝 男子個人総合
 体操 橋本大輝 男子種目別鉄棒
 体操 日本 男子団体総合 (A)
 柔道 阿部一二三 男子66キロ級 (A)
 柔道 日本 混合団体
 スケートボード 開心那 女子パーク
 レスリング 須崎優衣 女子50キロ級
 レスリング 藤波朱理 女子53キロ級
 レスリング 桜井つぐみ 女子57キロ級
(A=すでに今回金メダル獲得している)
 さて、今回の日本勢金メダル第一号は7月27日に柔道女子48キロ級で優勝した角田夏実選手によるものですが、偶然にも日本が今までに夏季五輪大会で獲得したメダル数の500個目で、金メダル数も170個目と言うことで、角田選手にとってもさぞかし感慨深かったのでは。
 ちなみに日本が現在までに一番数多くメダルを取った種目は次の通り。
 体操→103個(20%)
 柔道→98個(金メダル49個)
 競泳→83個
 レスリング→76個
 最後に、ネットで調べると、近代オリンピックが初めてギリシャのアテネで開催されたのが1896年で、日本が初めて参加したのは1912年にスウェーデンのストックホルムで開催された5回目の大会です。この時のメダル獲得は無し。そして第一次世界大戦を経て、日本参加第二回目に初めてメダル第一号を獲得しました。その種目は驚くなかれテニスで、熊谷一弥という選手がシングルスで銀メダルを獲得し、ダブルスでも柏尾誠一郎選手と組み、銀メダルを獲得しています。

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