指輪とリボンで結ばれた二つの棺=墜落事故犠牲者の葬儀で

夫婦の遺体が納められた棺(13日付メトロポレス・サイトの記事の一部)
夫婦の遺体が納められた棺(13日付メトロポレス・サイトの記事の一部)

 墜落事故犠牲者の葬儀で、二つ並んだ棺は結婚指輪が通された白いリボンでしっかりと結ばれていた――。サンパウロ州ヴィニェードで9日に発生し、乗員乗客62人全員の死亡が確認されたヴォエパス機墜落事故で、犠牲となった夫婦の遺体がパラナ州モレイラ・サレス市に埋葬された。妻ダニエラ・シュルツ・フォドラさんはボディビルの選手で、夫イアレス・フォドラさんと共に米国の競技大会に参加するために同機に搭乗していた。13日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
 夫婦は結婚して7年になり、5年前からパラナ州のウビラタンに住んでいた。同機出発地のカスカヴェル空港からサンパウロ州グアルーリョス国際空港を経由して、最終目的地の米国に向う途中に、事故に巻き込まれた。
 12日には妻ダニエラさんの故郷、リオ・グランデ・ド・スル州北西部サンタローザで告別式が行われ、親族や友人など多くの参列者が追悼の意を表した。
 ダニエラさんの代母であるファチマさんは、「ダニエラとイアレスが付き合い始めた頃、ある土曜日の午後に2人一緒に私の職場にやってきて、『彼氏を紹介しに来たよ』と嬉しそうに言ったのが忘れられません」と振り返った。
 事故の約10日前、ダニエラさんの家族は彼女に会いに、パラナ州を訪れたばかりだった。ダニエラさんの妹は「もしあれが最後になるとわかっていたら、もっと長く姉を抱きしめていたはず。でも、あの旅行があったことには感謝しています。私たちの最後の別れの機会となり、彼らと過ごした一瞬一瞬を大切にできたから」と振り返った。
 13日に遺体はパラナ州モレイラ・サレス市に移され、葬儀が執り行われた後、午前10時頃に埋葬された。
 カスカヴェル空港から飛行機に乗る直前、ダニエラさんは自身のSNSに「神が私たちの日々、そして週末を祝福してくださいますように。神のご加護ですべてがうまくいき、すぐに目的地に到着できるでしょう」と動画投稿し、夫との旅行や米国での大会への期待についてコメントしていた。
 ダニエラさんは、ボディビルダーであると同時に実業家でもあり、フィットネスウェア、サプリメント、アクセサリーなどを販売する店を経営。SNSでフィットネスに関するコンテンツを共有するインフルエンサーでもあった。一方、イアレスさんは元連邦道路警察官で現在は農業技術者として働いていた。
 13日午後2時時現在も法医学研究所(IML)による残った遺体の身元確認中だが、ヒアレスさんが右肩に装着していた義肢やタトゥー、指紋や座席の位置などから早々に特定された。夫婦は寄り添った状態で発見されたという。

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