リオ市北部ティジュカ市在住のアンドレイア・フェルナンデスさんは、毎週約8リットルの母乳を州立病院に寄付している。生後4カ月の赤ちゃんの母親である彼女は、授乳に対する支援と栄養管理の重要性を強調しており、寄付を続けることが自分への励みになっているという。13日付G1サイト(1)が報じた。
世界保健機関(WHO)が母乳を「黄金の食べ物」として位置付けていることから、ブラジルでは毎年8月に母乳育児奨励キャンペーン「黄金の8月(Agosto Dourado)」が実施され、政府や医療機関、NPOが協力して、母乳育児率向上を目指した様々な啓発活動を実施している。
アンドレイアさんは4カ月の娘エレナちゃんへの授乳だけではなく、毎週約8リットル、毎月30リットル以上の母乳を搾乳し、寄付するという驚くべき偉業を成し遂げている。
彼女によると、消毒済みの搾乳瓶、衛生状態を保つためのヘアネットやマスクが提供され、病院のスタッフが自宅に週に一度訪れて母乳を採取するため、移動する手間が省かれているという。
アンドレイアさんは「こうした活動に関われることをとても光栄に思っているわ。これを『仕事』のように捉えているの。私の母乳の量は多く、家には常に母乳でいっぱいの瓶があるの。エレナにも感謝しているわ。彼女はまだ会ったことのない友達のために母乳を分けてあげているのだから」と冗談交じりに語った。
アンドレイアさんにとって未熟児を助けることが、この活動を続ける最大の励みだという。「未熟児を持つ母親のことを考えるだけで、私はとても感情的になるの。生きる力を必死で探している赤ちゃんにとって、私の母乳が栄養になり、解決策となると思うと言葉にできないほどの感動があります。その反面いつも搾乳セットを持ち歩き3時間以上の外出はできない。疲れるし不快なこともあってやめたくなることもあるけど、その感情にしっかりと向き合い支えとしているわ」と述べた。
アンドレイアさんは栄養士のフォローアップが、成果を上げるために大きな違いをもたらしていると説明する。「私はいつも栄養士の指導を受けてきた。自分のためだけでなく、エレナのために適切に食事を摂ることが重要だと常に心に留めているの。1日に平均4リットルの水を飲み、きちんとした食事を心がけています」と話す。
アンドレイアさんが母乳を寄付しているサンジョアン・デ・メリチ市にあるエロネイダ・ストゥーダルチ州立女性病院の栄養士ナイラ・リゴールさんは「受け取った母乳はすべて新生児集中治療室に入院している未熟児に提供されます。これは赤ちゃんにとって不可欠な栄養分で入院期間を短縮するのに役立ちます」と説明する。
健康な母親で授乳に適さない薬を服用していない場合は、母乳バンクに登録することが可能だ。リオ州保健局(Ses―RJ)によると現在、同院の母乳バンクでは毎月16リットルの母乳を加熱処理し、入院中の138人の未熟児に提供している。母乳バンクでは、母乳育児に関する指導やサポートも行っている。