在日伯人のリアルを描く=『ファミリア』15日伯国公開

『ファミリア』

 在日ブラジル人社会を題材にした日本映画『ファミリア』(2023年、成島出監督、配給サトウカンパニー)のブラジル公開が15日から始まる。
 主演は役所広司。人気俳優の吉沢亮やMIYAVI、佐藤浩一、室井滋らが出演し、オーディションで選ばれた在日ブラジル人のサガエ・ルカス、ワケド・ファジレが当事者目線の迫真の演技を見せる。
 本作は、山里でひとり孤独に暮らす陶器職人・神谷誠治のもとに、一流企業に勤め、アルジェリアに赴任中だった息子が婚約者を連れてやって来るところから始まる。息子は結婚を機に退職し、焼き物業を継ぎたいと話すが、誠治は反対。そんな中、半グレ集団に追われていたところを誠治に助けられ、誠治に亡き父の姿を重ねる隣町の団地に住む在日ブラジル人の青年マルコスもまた焼き物の仕事に興味を持ち始める。1990年の入管法改正で始まったデカセギブームだが、08年のリーマンショック後、その規模は縮小。日本で生まれ育った昨今の在日ブラジル人のリアルな姿を描いていく。
 サンパウロ市の上映館はPetra Belas Artes、Espaco Augusta de Cinema、Cinesala、Kinoplex Itaim、Cinepolis Pamplonaなど。リオ・デ・ジャネイロ、ベロ・オリゾンテ、マナウスでも上映予定。

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