日本の農林水産省が昨年12月、ブラジル出身者から2人目の「日本食普及の親善大使」として飯田龍也アレシャンドレさん(49歳、日系2世)を任命した。飯田さんは日本酒造青年協議会認定の「酒サムライ」としても知られ、ポルトガル語はもちろん、日本語の読み書き、会話も堪能で、日本文化に広く精通している。
飯田さんが開講している日本酒基礎スクールでは「居酒屋と飲み屋の違い」や「日本は説明を読む文化、ブラジルは聞く文化」など日本酒知識の背景となる日本文化についても教える。冗談好きな陽気な人柄で、講座は毎度盛り上がりをみせている。
ブラジルの日本食人気は留まることを知らず、特にサンパウロでは一駅に一軒は日本食レストランがあると言われるほどの人気ぶりだ。しかしその一方で、日本食か中華料理か分からない料理を提供する店や、団子のような寿司を出す店も増えてきた。ブラジルで日本食を楽しむ機会が増えたことには感謝しつつも、そういった「ブラジル和食」と遭遇すると「なんだかな~」とも思う。
飯田さんは大使任命式で「ブラジルの日本食への興味は年々増しているが、まだ知識の浅い所がある」と述べた。大使任命によって飯田さんが日本食文化の普及により一層励んでくれれば、ブラジルの日本食もより良い方向に進むだろう。飯田さんの活躍に期待だ。(淀)