商議所昼食会=貿投促進庁ジョルジ長官が講演=万博伯国館コンセプト紹介

講演するジョルジ・ヴィアナ氏とApex-Brasilのマネージャーのマリア・ルイーザ氏

 ブラジル日本商工会議所(小寺勇輝会頭)は16日、サンパウロ市のインターコンチネンタルホテルで定例懇親昼食会を開催した。今回は特別ゲストに大阪・関西万博(EXPO2025)ブラジルパビリオン担当機関のブラジル貿易投資促進庁(Apex―Brasil)ジョルジ・ヴィアナ長官を迎え、講演を行った。来年の万博に向けたブラジルパビリオンの進捗状況が伝えられると同時に、今あるビジネスチャンスを形にするために日伯関係強化の重要性が強調された。約120人が参加した。

 ヴィアナ氏はブラジリア大学(UnB)林業工学卒業、ブラジル教育開発研究所(IDP)で修士課程の教授を務め、アマゾン地域をはじめとする環境保護の専門家でもある。1990年代以降、アクレ州の州都リオブランコ市長(1993―1997)、アクレ州知事(1999―2007)、2011年から2019年までは上院議員を歴任してきた。現在、長官を務めるApex―Brasilはルーラ大統領によって設立され、外国融資や外資の投資を誘致する機関だ。
 同氏と日本の関係は、初めての外国旅行先が日本であったことに始まる。1986年に横浜で国際熱帯木材機関(ITTO)が設立されて以来、熱帯木材の消費国と生産国の対話や熱帯林・熱帯木材貿易の分野における活動に関わり、年に1、2度訪日した。出身地のアクレ州で一番の友人は日系人だったこともあり、「日本文化が大好きで日本から学ぶことが多い」と話す。
 日伯貿易に関しては数年前から減少傾向にあり、現在は2012―2013年頃に比べて貿易額は約33%減少している。日本のブラジルに対する直接投資も27%減少し、間接投資が目立つようになった。それに対し、「日本企業のブラジル投資には、ブラジルで生産することが重要」と見解を述べた。
 一方、ブラジルは全世界に約300億ドルの投資を行っているが、日本へは約3億ドルとなっている。「地理的距離の問題ではなく、政策や戦略的な考えの不足」と様々な課題があるとの認識を語った。

ブラジルの「B」と日本の「日」が掛け合わされたデザインのブラジルパビリオンのシンボル文字

 万博のブラジルパビリオンのコンセプトは「ブラジルのポテンシャルを感覚的に紹介するスペース」だという。パビリオンの建物は遠くからでも一目で分かる金色に輝く外観の予定だ。シンボルマークの文字は、ブラジルの「B」が日本の「日」と掛け合わされたデザインで、黄金の建物とともに「日の丸」が輝くイメージとなっている。
 今回の万博のテーマは「共存」。現在の地球は持続可能な社会に向かっており、ブラジルは世界を先導可能な多くの解決事例を持っている。万博では6月21日がブラジルデーと定められており、同月18日の日本人移民の日の記念イベントも含めて、その後一週間から一カ月はブラジルの著名人も招いた特別イベントが予定されている。

講演会の様子

 「Apexの事務所はサンパウロに設置されているので、今後も日伯が一丸となってビジネスを促進し、万博もポジティブに進めよう」と講演を締めくくった。

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