《特別寄稿》ユーチューブ時代=「祖国よ いずこへ」=都知事選演説から感じた危惧=サンパウロ州サンロッケ市在住 高橋暎子

U候補の演説に共感、驚きと腹立たしさも

 ふた昔も前であったでしょうか。私は祖国日本に対してひとつの危惧を抱いていました。なんと日本の北海道の土地をC国の人が買い上げ、土地から吸い上げた地下水を梱包し、自国C国に送っていると言うのです。外国人が日本の土地を買い上げ、地下資源を掘り上げては外国へ送る、これがエスカレートしたらどうなるでしょう。
 日本の国が日本では無くなり外国人の土地になってしまいます。すでに、北海道の土地の30%が外国に買われています。30%もの土地が、すでに日本ではないのです。
 この度、東京都知事選にあたって、さまざまな候補者の方々のさまざまな意見や演説を、ユーチューブを通して視聴する機会がありました。その中で二、三の候補者の方は心から国を思い国民を守るために声を嗄らして訴え、演説しておられました。それらの演説の趣旨には大いに共感もし、感動も覚えたものでした。彼らの演説によって、世間に疎い私自身が知らなかったことも知らされ教えられ、大いに目覚めさせられたものでした。
 U候補者は医師であり、作家でもあります。が、現在の日本の失政の中に、衰退し行く日本や東京を見るにつけ、思いあまって東京都知事に立候補を決断されたのでした。氏は現在49歳の働き盛り。残念ながら都知事の選には漏れましたが、彼の演説の中からは驚きと共に言いようのない腹立たしさも覚えたものです。
 なんと今、日本は外国人に土地を売るだけではなく、企業の株の大半を外国に買わせていると言うのです。まず東京メトロ、これは2027年までに株の半分を外国企業に売却の予定だとか。上下水道も半官半民の持ち株となることが予定されています。半民は日本の企業ではなく、その株は外資系企業に売られるということなのです。上水が外国に渡るということは、上水の質の保証もなくなります。水道料も上がることでしょう。
 地下水を保有する国有林も次々と外国企業に買われてハゲ山になっています。これは主として、国民や住民の反対を押し切っての太陽光パネルの設置のためのようです。日本は災害大国、いつ大地震や大洪水に襲われるとも限りません。太陽光パネルは水に浸かると放電して大変危険です。
 しかもたった10年の寿命です。その際廃棄物となった時の処分にも困ります。この太陽光パネルはC国産です。現在ヨーロッパの国々は、ウイグル人やモンゴル人へのひどい虐待酷使に対するC国への批判からC国産の生産物は購入することを禁じています。ヨーロッパで売れない生産品を日本は買っているのです。しかもこの設置を国は今後国民に義務付けようとしてもいるのです。
 公営住宅、これは日本の人々の税金で建設したものです。が、これも現在入居しているのはほとんど外国人という有様です。日本人の税金によって建設費された公営住宅でありながら、日本人が入る余地はありません。
 火葬場までも外資が参入しています。死んでC国人に焼かれるのは本望では無いという人もいるというのに、C国人の経営になっています。対応も杜撰です。火葬料も上がっています。
 そして何よりひどいのは、情報機関であるNTT株まで売られようとしているのです。情報機関であるNTT株まで外国が介入してしまっては、もし戦争となれば、日本の情報は事前に漏れてしまい、戦う以前に敗戦は免れません。
 これら外国への土地や企業の売却は、売国奴行為と言っても過言では無いでしょう。
 もし土地や企業の売却がエスカレートしたら、これらの企業に就労する外国人、関連する外国人が続々と日本に入って来ることでしょう。そうすると、日本の若者や子どもたちの将来はどうなるでしょう。就職口はほとんど外国人で占められ、未来ある子どもたちの就職口は無くなってしまいます。

候補者の一人、医師で49歳、内海聡氏(Yasuo Onoe, via Wikimedia Commons)

 このU候補の演説で、何も知らなかった私はさまざまなことを知らされました。それは大変な驚異でもあり、祖国日本に対する大いなる危惧でした。すでに、埼玉県の川口市などはクルド人で占められ暴力沙汰窃盗などの絶えない治安の悪い土地になっています。
 通学の児童たちは外国人がたむろする脇を警戒しながら走り抜けて行きます。こんな話も耳にしました。白昼十代の少女がアラブ人に強姦されたのです。警察に捕まったその男は何と言い訳したか。なんと自分の国アラブではミニスカートをはいた女の子は犯しても罪にならないのだとのこと、呆れてしまいます。
 秩序ある日本に入って自分の国の習慣を持ち出して罪にはならないとは。こんな外国人を絶対に日本に入れてはならないでしょう。
 U候補の公約は都知事になって日本の土地や企業の売却を止めると言うものでした。今の日本の解決しなければならない喫緊の課題でしょう。

外国人への生活保護止めろとのS候補の主張

 S候補の方の演説は凄まじいまでに迫力のあるものでした。過激とも言える言葉で放つ怒りの声の中には国を思い国民を守る必死の思いが伝わってくるものでした。
 S候補の演説、それは先ず外国人に対する生活保護の支給を止めることでした。日本の国民が職を失い病気になって働けなくなり、生活保護の申請をしてもなかなか受け付けてもらえない、しかし外国人が申請したら即刻受け付けて貰えるとのこと。さらにこの外国人の中には生活に困窮していない人もいるのだとか。

候補者の一人、「在日特権を許さない市民の会」元(初代)会長、桜井誠(パブリックドメイン、Abasaa)

 さらに、外国人の日本での起業に対しては1500万円もの金額が支給されます。日本の中小企業が経営困難に陥っても援助されることはありません。
 この外国人優遇、自国の日本人冷遇の矛盾を正さんと立ち上がり20年闘い続けて来ているS氏です。
 学生の街である東京の高田の馬場にはいくつかの学生ローンの店と言うのがあります。日本の苦学生はそこで借金をして月謝を払い、生活費を払い大学を卒業します。その際、奨学金返済という借金を背負って社会に出て行くことになります。借金は毎月何万円かずつ10年20年かけて、しがない給料の中から返していかなければなりません。苦しい社会生活の出発ということになります。
 ところが外国からの国費留学生はどうでしょう。留学費無料、滞在費無料、生活費無料、月謝無料すべて無料です。国民の税金で外国人を優遇し日本人を冷遇する、こんな矛盾はありません。S氏の外国人より日本人を優遇するべきという訴えはもっともです。
 S候補者は、透析治療を受けている第一級の身体障害者です。身体障害者とは思えないほどの力強い訴えには日本の国を、国民を守り抜くという必死の思いが全身に溢れていました。透析治療を受けられるまでに体調をこわしても、まだ国のため、国民のために外国人に対する不当な生活保護、起業援助の中止を叫ばれる姿には視聴者の共感を得ずにはいません。

米国からの完全独立を強調するT候補

 T候補者、このかたは元航空自衛隊の幕僚長だった方です。5万人もの自衛隊員をまとめて来られたかたです。1200万人の都民をまとめて行く力もあると見受けます。
 先ず氏の公約のひとつ、それは災害に強い東京を作るということ、天災の多い日本では大事な事のひとつです。第二にはかつての敗戦によってひけめを持ち、何事にも消極的になっている同胞に、日本人としての誇りと自信を持たせるための教育の改革です。豊かな人間性を育むために道徳教育にも力を入れる、そのためには戦前に使われていた教育勅語、修身を教科書にとりあげることを勧めてゆきたいと望んでおられます。
 教育勅語、修身と言えば戦前の日本を連想、右翼思想に繋がると思われがちですが、子弟の道徳教育を説いた優れた教科書だと強調しておられます。

候補者の一人、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(Noukei314, via Wikimedia Commons)

 戦後のGHQからの体制をいつまでも引きずることなく、一国として完全に独立することの重要性を挙げています。同盟国と言う名目で、いつまでもアメリカの機嫌をとっているようではなりません。
 カタカナ文字ばかり多い今の日本です。本来の純粋な日本はどこにいったのでしょう。こんな話も聞きました。子どもの友達同士で「ちゃん」をつけて呼ぶのはやめて、外国風に呼び捨てにしましょう、と言うものです。日本の温かいしきたりを捨てて、ここまで西洋風にしなければならないとは—。
 わたしの日本の子どもの頃からの友人はお互い80歳を過ぎた今でも「えいこちゃん」と呼んでくれ、ほのぼのとした温かい気持ちになるものです。日本だけにある温かい良いしきたりはいつまでも残したいものです。
 石原慎太郎氏は「ノウと言える日本でなければならない」と言っていましたが、石原氏の政策を受け継いだT候補者らしい公約です。
 さらに都民税の減税、太陽光パネルの縮小、外国人への優遇、日本人への冷遇の見直し、これは三者とも挙げています。T候補者は75歳の高齢者ですが、後に続く青少年のために以上のような公約を掲げて立候補されたのでした。

納得いかない現職再選、祖国日本の誇りいずこ

 3名の方の公約は、どれも納得のいくものであり、共鳴共感できるものでした。どの方も外国人への日本の土地や企業の売却の中止、他国に忖度依存しない強い国としての独立を挙げていました。
 都知事選は終わり右の三者のどなたも当選することなく、またもや国土を売り企業を売る、前期二期で何一つ公約を果たさなかった前都知事が三選を果たしました。この候補者には多くの反対もあり、演説の際には「帰れ」「やめろ」コールは凄まじいものでした。てっきりこの候補者前都知事は落選するものと思っていましたが、予想に反して三度目の当選でした。陰で見えない力が働いたのか、東京都民の方々の希望だったのかわかりませんが。
 しかし、三選を果たしたこの知事にはいくつかの公職選挙法違反、学歴詐称などの罪で刑事告発状が出されています。都民からもリコールの声が上がっています。これらの罪状がうやむやに取り消され、続いて知事の座に就いておられるかもわかりませんが。
 遥か地球の反対側に在住する我々日本人にとっては、祖国日本は懐かしい母国として心の祖国、心のふるさととして脳裏を離れることはありません。祖国日本は変わらぬ緑豊かに連なる山並み、その麓には汚染されることのない清らかな川の流れがあり、そして治安は良く、人々は人情味豊かで勤勉で真面目であることが脳裏にある本来の祖国の姿なのです。
 それでこそこの国で「ジャポネース ガランチード」と評され日本民族としての誇りと元気を得る事ができるのです。

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