第20回パンアメリカン日系人大会(COPANI)が9月6日から8日に、パラグアイ首都アスンシオンのパセオ・ラ・ガレリアで開催される。同大会は、米州大陸の日系コミュニティが一堂に会し、文化交流やコミュニティの絆を強化し、相互理解を促進する機会だ。今回は「持続可能な未来を共に築くーオニョンディベパ(グアラニー語OÑONDIVEPA皆と共に)」をテーマに、日系社会が直面する課題について討議が行われる。
同大会は1981年に開始され、2年ごとに開催されてきた。北南米の国々から参加する日系人は、共通課題に取り組む目的で世代を超え意見交換を行っている。かつては二世が中心だったが、現在では三世や四世の若い世代の参加も増える。この大会を通じて国境を越えた日系人ネットワークが構築され、SNSなどを活用し情報交換が活発化していると言われる。
パラグアイの日本人移住の歴史は1936年に始まり、現在、約1万人の日系人が移住地内外で暮らす。農業発展に貢献し、近年では専門職での活躍も目覚ましい。今大会の会場は首都アスンシオンが選ばれたが、コロナ禍の影響で延期されていたため、2019年のペルー大会以来5年ぶりの開催となる。
今大会には、パラグアイ・セントロ日系やパラグアイ日系・日本人会連合会などが参加し、在パラグアイ日本大使館、JICAの後援の下、パラグアイ日系女性の会(MNpy)も協力する。パラグアイでの開催は1991年以来2回目。
本大会では文化の維持の方法を模索し、世代間交流、若者のリーダーシップ育成などが重要なテーマとして議論される予定。講演会やワークショップ、文化イベントのほか、ビジネスマッチングの場も設けられ、国際的な連携が促進される見込みだ。大会は、パンアメリカン全体の日系コミュニティにとって、持続可能な発展に向けた重要な一歩となることが期待されている。
若い世代の日系人にとっては、自らのアイデアやプロジェクトを発表する絶好の機会ともなる。未来を共に築くという新たな動きが期待されている。
9月6日第1日目は開会式のあとMNpyを紹介し、「女性の政治と公務、変革的役割」についてのパネルがシルビア・モリモトによる進行で行われる。パネリストとして中谷好江大使らが発言予定。「女性主導の教育:視点と貢献」というテーマが議論される。
午後には「ニッケイ機関:持続可能性のための経験と戦略」というテーマで議論。株式会社ジャパンタイムズ代表取締役会長、末松弥奈子氏登壇「The Japan Times が伝える日本の持続可能のいま」についての特別講演もある。夜は在パラグアイ日本大使館においてレセプション開催。
9月7日第2日目は第一会場では、「ニッケイのコミットメント、さらなる持続可能なビジネスへの変革への貢献」というテーマで議論がある。
「ビジネスのためのデジタルマーケティング」に関する講演がサチ・タナカさんによって行われ、ニッケイの歴史遺産の文書化保存と普及を目的としたデジタルプラットフォーム「Discover Nikkei」に関して西村陽子さん(米国)と、日系パンアメリカ協会のSDGsへの貢献変遷について発表される。「ニッケイとラテンアメリカにおける飲食産業への影響」というテーマでも議論される。
同大会は問い合わせは同実行委員会(copanipy@gmail.comまたは+595 985 457605)。参加申込みは(https://forms.gle/xdydHBTiXY9Sib5a8、https://www.instagram.com/copanipy/またはhttps://www.facebook.com/profile.php?id=61555849006663)から。