グローボ局の有名司会者ルシアノ・フッキがウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領に独占インタビューを行なった。ゼレンスキー大統領は、最近自国の軍隊が占拠したロシア領土を返す意向を示し、11月までに終結のための和平案を発表すると述べたと27日付オ・グローボ(1)が報じた。
フッキ氏はウクライナ移民の子孫で、ゼレンスキー大統領から直接話を聞くことで、自分と深い繋がりのある同国の現状を深く理解することを望んでいた。
首都キーウ滞在中、フッキ氏は午前3時に鳴り響く警報音で目を覚ました。街中に響き渡るサイレン、携帯電話のアラート、ホテルのスピーカーからの呼びかけが四方八方から届き、眠れない恐怖の現実を見たと振り返る。その夜、127発のミサイルと109機のドローンが発射され、戦争が始まって以来、ロシアが仕掛けた最大規模空爆の一つに直面。ロシアは厳しい冬が始まる前に、水道やエネルギーなどのインフラ施設を破壊しようとしていた。
そんな状況下、同大統領は予定通り、取材に応じた。
―戦争の終息、和平のプランはあるか。
「和平案は持っている。今詳細を述べられないが、11月までに明らかにする。ロシアが同意するかどうかが問題だ」
―プーチン氏と対話して平和への道を模索する意向はあるか。
「多くの国が私の計画を支持すると確信している。ロシアにも参加してほしい。彼らは平和条約に参加する必要がある。プーチンに圧力をかけて屈服させ、戦争を終わらせる計画を準備している」
―ウクライナの土地が返還されれば、ロシアの領土を返還する用意はあるか。
「我々に彼らの土地は必要ない」
―最近のロシアの都市クルスクへの武力侵攻は、ウクライナの立場を変えた。紛争の平和的解決の模索にどのような影響を与えるか。
「理由は多い。大規模な作戦であり、まだ未完了だ。ロシアから領土を取り戻すことができれば、我々も彼らに土地を返還する。だが、プーチンは準備ができていないように見える。これは戦争における重要な瞬間であり、全世界が注視することが重要だ。プーチンは自国民を大切にしていない。これは我々の問題ではなく、一人の野心についての戦争だ」
―同盟者だったバイデン米大統領が姿を消しつつある。トランプ前大統領が選ばれる可能性もあり、彼は『24時間以内に戦争を終わらせる』と述べ、それはウクライナ支援を完全停止することを意味する。米国の選挙についてどのように考えているか。
「私は平和を実現するための計画を立てており、その一部を世界に示す必要がある。最初に伝えたいのはバイデン大統領だが、今後の大統領選の結果によってはカマラ・ハリスやトランプとも共有する可能性はある」
―ルーラ大統領は『戦争責任を追及する理由はない』とし、中立を主張しているが。
「それは正直な発言ではなく、我々にもブラジル国民に対しても誠実ではない。誰がこの戦争を始めたかは誰もが知っている。今のところブラジル政府は、平和への解決策の模索に参加したがらない。私は犠牲者や亡くなった人々のために話している。もし戦争を止める手助けをしたいのなら、プーチンに戦争を止めさせる手助けをしたいのなら、私たちは団結しなければならない」
―グローバル・サウスのリーダー、ルーラ大統領やブラジルに向けてメッセージはあるか。
「ルーラ大統領と会談し、私を理解してくれたと感じた。しかし彼は旧ソ連の視点に囚われている。中国、イラン、北朝鮮は民主主義国か。いや、違う。民主主義国であるブラジルは、これらの国々と一緒に何をしているのか。経済的関係は理解できるが、戦争は違う。これは地政学的な問題であり、価値観、国民、民主主義、自由に関する問題だ。自由で民主的な国であるブラジルが、これらの価値観を尊重しない国と一緒にいる理由が理解できない。誰がこの対立に勝つのか。ブラジルがこれらの4カ国を飲み込むのか、それとも飲み込まれるのか」