アチバイア・オルトランジア協会(吉田ネルソン高男会長)とアチバイア市による「第42回花とイチゴ祭り」が9月6日から、サンパウロ州アチバイア市のアチバイア・エコロジコ公園(Av. Nobuyuki Hiranaka, 566 – B. Pires)を会場としては初開催される。昨年までは市立公園を使っていたが、今回は念願だった自前の専用会場で開催される。期間は6日から29日までの金土日曜日と祝日。
新しい場所は50万平米ある土地のうち14万平米をイベント会場として造成した。うち9千平米の建築面積の屋根のある空間があり、そこがメイン会場となり収容人員は3万人。そこで使われる水は全てリサイクルされ、3千本の植樹がされた。バス120台、自動車2千台が停められる。
吉田会長は「この祭りは、市誕生300周年を記念して59年前に開催された農産展が原点になっている。会場はあちこち点々としていたため、この会場建設は1985年、約40年前から諸先輩が構想してきた。ようやく完成を見た。展示会スペースとして貸し出し、地域活性化に役立てたい」と報告した。4週末12日間で10万人の来場を見込んでいる。
編集部を訪れたガブリエル・ソラ市農務局長は、「この施設は市にとっても重要拠点、農業振興の起爆剤だ。日系団体がこのような施設を作ってくれ、感謝しかない。最近ようやく〝国のイチゴの都〟名称が正式に承認された。日系人は新品種導入など常にリーダーシップを発揮してくれ、ありがたい存在だ」と述べた。
アチバイア市は花卉や苺の名産地として知られている。花の生産量は全国生産の約25%を占める。吉田会長は「アチバイア周辺で400軒の生産者がおり、日系人はうち4分の1程度だが、生産量の大半は日系農家によるもの」と説明する。
アチバイア地域イチゴ生産者協会のオズワルド・ジョゼ・マジエロ会長によれば、苺はアチバイア周辺で約150万株が栽培され、サンパウロ州生産量の7~8割を占めるという。さらに「国全体で見ればミナス州の方が生産量は多いが、品質はアチバイア。だから〝イチゴの都〟に認定された」と強調した。60~70年代には日系のイチゴ生産者が圧倒的に多かったが、今では220生産者中、20ほどだという。
同祭では同市産の花やイチゴ、イチゴを使った各種スイーツが販売される。吉田会長は「毎年苺を使った新しい料理を提供するのが楽しみの一つ。アチバイア伝統のイチゴジュース、イチゴのパステル、今年は新しくイチゴを練りこんだパンも発売される。ぜひ試してほしい」と話した。
今年も同祭テーマは「平和」で、展示会場にはそれを表現した1千本以上の花を使った作品が飾られる。ステージでは和太鼓や阿波踊り、盆踊りなどの日本伝統芸能のほか、ドイツやロシア、ポルトガル、クロアチア、ボリビア、アラブなど9カ国の伝統芸能が披露される。
入場料は土日50レアル、60歳以上の高齢者は半額。金曜日は全員半額。学生、問い合わせは同祭実行委員会ワッツアップ(11・93495・1053)または電話(11・3939・0435)まで。