ブラジル北海道文化福祉協会(平野オストン会長)は25日、「ブラジル移民105周年およびブラジル北海道文化福祉協会創立85周年記念式典」をサンパウロ市ビラ・マリアナ区の同協会会館で開催した。ブラジル各地を始めアルゼンチンやパラグアイなどからも関係者が集まり、日本からは道庁公営企業管理者の天沼宇雄氏や稲村久男北海道議会副議長、札幌市議長及び同副市長の飯島弘之氏、北海道日伯協会理事の島崎允治氏ら35人が参加。林禎二駐ブラジル日本国特命全権大使を始めとする来賓や、100人以上のボーイスカウトボランティアも参加し、総勢約500人で盛大に節目の年を祝った。
式典では、先亡者へ1分間の黙とうが捧げられた後、日伯両国歌斉唱が行われた。国歌斉唱では特別演出として、約100人のボーイスカウトが合唱を披露した。
挨拶に立った平野会長は「この節目を無事迎えることが出来たのは、これまで支えてくださった母県や先人、県人会関係者のおかげ。この歴史が絶えぬよう尽力し、すべての世代が交流できるような県人会を作っていきたい」と述べた。
道庁の天沼氏は「ブラジル北海道文化福祉協会は、創立から今日に至るまで、故郷への思いを忘れず団結を深めながら長い年月を重ねてこられました。この郷土愛に敬意を表します。今後とも県人会を守り、育て上げ、今まで以上の地位向上と、母県とのより活発な交流ができるよう願っております」と祝辞を述べた。
稲村副議長は、「式典の無事開催に心よりお祝いを申し上げます。故郷である北海道から遠く離れた異国の困難な環境の中でも、夢と希望を失わず、強い郷土愛から県人会を立ち上げ、不屈の精神で活動されてきたことに対し、敬意を表します」と述べた。
政府予算の割り当てなどで同式典の開催に協力したサンパウロ州議員の中嶋マルシオ氏は、「式典の無事開催に心からお祝いを申し上げます。私達日系人が活動できているのは先人達のおかげ。これからも県人会や日系社会を盛り上げてより活発に活動してほしい」と呼びかけた。
その後、高齢者、同協会貢献者、永年貢献者、友好親善貢献者表彰が行われた。
友好親善貢献者表彰を受けた日本食店経営者の村上・スザーナ・江利子さんは、「日系社会や私達の和食店がブラジルで受け入れられているのは、先人たちや会員、母県の支えがあってのこと。父(元会長・故木下利雄さん)の名に恥じないよう私も尽力していきたいです」と述べた。
TBSサンパウロ通信員の山口貴史さん(北海道出身)も表彰され、「渡伯してきたばかりで右も左もわからない頃の私を、木下元会長や谷口出穂元会長、ブラジル北海道協会の方々が支えてくれましたことを本当に感謝しております」と謝辞を述べた。
高齢者表彰を受けた41人を代表して、村口ビクトリアさん(92歳)がスピーチし、同協会と先人、母県への感謝を述べた。
ブラジルと北海道の交流の重要性をテーマにしたスピーチを元県費留学生の田尻幸夫さんが行った。
式典後は、鏡割りと乾杯、記念ケーキカットが行われた。
祝賀会では、JICAの助成金によって購入することができた北海道産の焼き帆立が振舞われた。母県慶祝団一員の北海道安平町の料理人がブラジルの食材で作った安平町名物「ジンギスカン」を参加者に振舞った。よさこい踊りグループ「一心」や、リオ在住の歌手・野村カカ氏のバンドグループによるボサノバやサンバ演奏なども楽しみ、会は閉幕した。