軟禁状態で売春強要され死亡=20歳女性、麻薬運び屋にも?

殺害されたジェオヴァナ・コスタ・マルチンスさん(Foto: Reprodução/Redes Sociais)
殺害されたジェオヴァナ・コスタ・マルチンスさん(Foto: Reprodução/Redes Sociais)

 アマゾン川中流域のアマゾナス州マナウス市西部のタルマ地区で20日、ベビーシッターのジェオヴァナ・コスタ・マルチンスさん(20歳)が遺体で発見された。体には暴行された跡があり、雇い主カミラ・バローゾ容疑者(33歳)が事件に関与したとして逮捕された。同容疑者宅は実質的に性的マッサージ店として機能する売春宿であり、被害者は軟禁状態で性的搾取を受けていたとみられていると30日付G1(1)(2)が報じた。
 警察によると、被害者は遺体が発見される前日の19日から行方不明で、その日の夜に殺害されたとみられている。死因は頭部外傷で、暴行が原因と考えられるという。
 マリリア・カンペロ警部によれば、被害者はカミラ容疑者の娘の世話をするベビーシッターとして市南部ペトロポリス地区の容疑者宅で働き始めた。捜査の結果、被害者はその家でパーティや飲酒漬けの生活に引き込まれ、同容疑者によって無理やり軟禁状態になっていたことが明らかになった。
 同警部は「被害者は性的サービスを強制されていた。その家は性的マッサージ店として機能しており、ジェオヴァナさん以外にも他の少女たちが出入りしていたが、彼女は住み込みで外部との接触が許されていなかった」と説明した。
 被害者の母親マルシアさんは、娘は約1年前からカミラ容疑者の下で働いていたがトラブルについては一切口にしたことはなかったという。「何も知らされていなかった。娘が一緒に働いていた人に殺されたと知って本当に辛い」と心情を吐露した。
 カミラ容疑者は28日夜に逮捕された。彼女が主犯格であることを示す、数々の証拠を警察は掴んだという。その一つに、被害者が全身に拷問の跡を持ち、顔を真っ赤に腫らした状態で、カミラ容疑者と同居していた家で撮影された写真がある。
 写真は被害者の携帯電話で撮影されたものとみられ、オンライン・ストレージ・サービスに自動保存されていたものを親族が発見。警察は、ジェオヴァナさんがその家で殺害された可能性が高いと考えている。
 エドゥアルド・ゴメス・ダ・シルバ容疑者も共謀してジェオヴァナさん殺害に関与していたとして、警察により指名手配された。州警察は29日午後にエドゥアルド容疑者の画像を公開し、情報提供を呼びかけた。
 カンペロ警部によれば、エドゥアルド容疑者は、カミラ容疑者が借りていた家の所有者の息子であり、ジェオヴァナさんの遺体が遺棄される際に使用された車両の持ち主だった。カミラ容疑者と恋愛関係にあったとされている。
 カミラ容疑者は、同州で最も悪質な麻薬密売人マノ・カイオの妻であると主張し、「あんたの脚を折るために麻薬組織の人間を呼ぶよ」と言って被害者を恐怖に陥れていたとされる。彼女はすでに麻薬密売で逮捕された前科がある。
 捜査チームは、カミラ容疑者が欧州への渡航計画を持っており、彼女の家族がフランスに住んでいることを突き止めた。ジェオヴァナさんは今年6月にパスポートを取得しており、カミラ容疑者によって国外に連れ出される予定だったと考えられている。
 警察によれば、ジェオヴァナさんは「mula(麻薬を体内に隠し持って密輸する運び屋)」として利用される可能性があり、さらには国外での売春を強いられる予定だったとみられている。カンペロ警部は「容疑者が犯行を否認しているため、動機が何であったかはまだ正確には言えないが、彼女を逮捕するには十分な証拠がある」と説明した。

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