サンパウロ・大阪=姉妹都市提携55周年祝う=高橋副市長ら関係発展に期待

あいさつする高木会長

 サンパウロ市と大阪市が1969年に姉妹都市提携を結んでから、今年で55周年の節目の年を迎えた。8月24日午前10時から、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会2階貴賓室で提携55周年の記念式典(3部構成)が開催され、両市関係者など約150人が出席した。式典はサンパウロ・大阪姉妹都市委員会(高木ラウル会長)主催、企画・構成=藤瀬圭子プロ事務所、宮坂国人財団後援。

 道田エジソン氏、藤瀬圭子氏の司会で進行した1部の式典では、大阪市から高橋徹副市長、西徳人大阪市議会副議長、大阪・サンパウロ姉妹都市協会会長でタカラベルモント・グループ代表の吉川秀隆氏、在サンパウロ日本国総領事館の清水享総領事、野村アウレリオサンパウロ市議、西尾ロベルト宮坂国人財団理事長、サンパウロ・大阪姉妹都市委員会の高木会長らが主賓、来賓として登壇した。
 高木会長はあいさつで、自身が1999年から大阪市の依頼でサンパウロ・大阪姉妹都市委員会メンバーとして東洋街の象徴でもある大鳥居の新たな建設などボランティアで活動してきたことを振り返り、「来年は大阪で万博もあることですし、皆さんぜひ、遊びに行ってください」と呼びかけた。
 清水総領事に続いて祝辞を述べた高橋副市長は、1982年にサンパウロ・オオサカシ小学校と姉妹提携を結んだ大阪市立田辺小学校の生徒が今回のイベントに合わせて絵画とビデオレターを作成し、式典前日の23日に交歓したことに言及。また、スピーチコンテスト優勝者の相互派遣など、市民レベルでの草の根交流が拡大していることにも触れた。さらに、来年4月から開催される「大阪・関西万博」についてもアピールし、両市の新たなステージでの経済・文化交流発展に期待していた。
 西副議長、野村サンパウロ市議に続いて、大阪・サンパウロ姉妹都市協会の吉川会長が祝辞。同協会が両市提携翌年の70年に設立され、近年の活動として相互の研修生派遣など若い世代の育成に注力していることを強調し、「今回の短い期間での訪問で、サンパウロの多くの方々と文化交流を深められたことを嬉しく思う」と述べた。
 高木会長からの表彰状授与として、高橋副市長、西副議長、吉川会長と、大阪出身で藤間流日本舞踊学校初代校長の故・藤間芳之丞氏の代理で娘の江口桂校長の4人にそれぞれ記念プレートが手渡された。
 同じく高木会長と塩野彰式典実行委員長の両氏から、藤間流名取の芳誠氏、芳琴氏、ミカ幼稚園の辻本和恵園長の3人に感謝状が贈られた。
 川添博式典実行委員会副委員長の閉会の辞の後、第2部のアトラクションが引き続き行われ、ミカ幼稚園生徒による『ミッキーマウス』『KENKA』の和太鼓演奏が来場者の目を引き付けた。

2部のアトラクションで式典を盛り上げた藤間芳琴氏(前列中央)を囲んで記念撮影

 さらに、藤間流日本舞踊学校の門下生らが『吹き寄せ舞の彩(いろ)どり』をテーマに『藤娘』『元禄花見踊り』等の長唄や、創作舞踊『戦場のメリークリスマス』など9曲をメドレーで披露。結びは出演者全員による『チャンチキおけさ』で締めくくり、会場の背景に飾られた鮮やかな紅白幕と出演者たちの洗練された日本舞踊が式典に華を添えた。
 3部の祝賀昼食会では、ジェトロサンパウロ事務所の井上徹哉(てつや)所長が乾杯の音頭を取り、「ビーバ、サウーデ、乾杯」と発声。その後に記念のケーキカットが両市関係者によって執り行われた。

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