フォロワー2千万人以上の有名女性=536億円相当の資産凍結

デオラーニ・ベゼーラ容疑者(Foto:Reprodução Instagram)
デオラーニ・ベゼーラ容疑者(Foto:Reprodução Instagram)

 マネーロンダリングと違法賭博の撲滅を目的として、全国6州で約170人の警察官を動員し、19件の逮捕状執行を含む大規模捜査「統合作戦」が行われ、北東部ペルナンブコ州レシフェ市で4日、デジタル・インフルエンサーのデオラーニ・ベゼーラ容疑者(36歳)が逮捕された。彼女はインスタグラムだけで2千万人以上のフォロワーを持つ。実業家と弁護士の肩書きも持ち、3人の子供の母親でもある。彼女は資金洗浄を担当する犯罪組織の一員である疑いが持たれており、母親ソランジェ・ベゼラ容疑者も共に逮捕されたと同日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
 デオラーニ容疑者はペルナンブコ連邦大学(UFPE)の法学部で刑法と刑事訴訟法を専門に学び、サンパウロ市に拠点を移して法曹界でのキャリアを築いた。2021年5月、当時婚約していたファンク歌手MCケビンがリオ市ホテルのバルコニーから転落死したことで全国的に知られるようになった。
 MCケビンは酒に酔っており、他の女性との浮気現場をデオラーニに知られることを恐れ、逃げようとしたところバランスを崩して転落。リオ州警察は検察の同意のもとで事故死と判断し、裁判所もその後、事件を不起訴とした。
 彼女はインスタグラムでファッションや美容のヒントから、贅沢三昧のプライベートライフを映し出す写真まで、多彩なコンテンツを発信。有名人のインタビューやイベントにも参加し、テレビ番組にも頻繁に出演していた。
 2022年には、デオラーニはサンパウロ州警察による家宅捜索の対象となり、スポーツ賭博運営会社「Betzord」との関連が疑われた。同社は「大衆経済に対する犯罪及び組織犯罪」の容疑で調査されていた。この捜索でデオラーニは自身のSNSで、パソコン、携帯電話、そして車2台が押収されたと明かしたが、違法な物は発見されなかったと述べた。
 この「統合作戦」は2023年4月に開始され、デオラーニの逮捕を含む19件の逮捕状と24件の家宅捜索令状が発行された。捜査対象者の高級車、不動産、航空機、船舶などの資産が差し押さえられ、21億レアル(約536億円)相当の金融資産が凍結された。パスポート提出、銃器所持停止及び登録の取り消しも命じられた。
 この大規模捜査には各州の警察の他、国際刑事警察機構(インターポール)が協力している。
 ペルナンブコ州警察は記者会見で、デオラーニの関与や調査対象の組織についての詳細は明らかにしなかった。レナート・ロシ警察署長は、今回の作戦が違法賭博から得られた資金の洗浄を行う組織を対象としていると述べた。
 弁護側は、逮捕後にデオラーニが書いた手書きの書簡をインスタグラムに投稿、「不当な扱い」を受けていると書かれている。デオラーニの姉もまたSNS上に動画を投稿し、家族の潔白を証明するつもりだと述べた。

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