8月31日、ブラジルでSNSサービス「X」が利用停止となった。それからすでに5日が過ぎたが、まだ再開の目処は立っていない。
知名度の高いXだが、利用停止で大きな社会的影響があったかといえば、予想していたほどではなかった。これがインスタグラムだったら騒動の大きさはこんなものでは済まなかっただろう。インスタグラムの利用者数はXの5倍以上だからだ。ブラジルではイーロン・マスク氏が前身のツイッターを買収した時点でユーザーが大きく減っており、他の国々と同様に「ツイッターは落ち目」との印象が以前から正直あった。
X歴の浅いユーザーなら「機能が変わらない別のサービスを使おう」となり、スレッズやブルースカイなどに移行するだろう。そしてこうした人達はおそらくXが再開しても戻ってこない。
こうした現状もあるが、Xを使うことに慣れていた人にとっては、今回の利用停止は大きな痛手だった。Xに多数のフォロワーを抱えている人やXに多くの時間を割いてきた人の中には今回の利用停止で虚脱感を抱いている人も多いとの記事も出ている。
どの分野でも「速い情報」を求めている人はいる。その点では、どんなに利用者が減ろうとXにはまだ1日の長がある。コラム子もスレッズやブルースカイを使用しているが、はっきり言って物足りなさが残る。
そして、コラム子がXの利用停止で最も困っているのが、「友人」との関係だ。
コラム子はXを5年以上使っている。日本のXユーザー数はブラジルの3倍もいて、顔や本名こそ知らないものの、非常に多くのネット越しの友人を得た。
コラム子としては、友人との交流を絶たれたことが最もショックで、虚脱状態がまだ続いている。自分の伝えたいことにいち早く理解を示し、反応してくれたフォロワー。彼らの存在がXを継続し続ける原動力にもなっていたために、すごく寂しい思いを感じている。
今回の処分は「今後どの世界でも起こりうる仕方がないこと」と思っている。コラム子も「表現の自由という概念に甘えた言葉の暴力」は日本のXで目の当たりにして戸惑いを覚えてきたし、「これ、こっちだったら絶対アウトだぞ」と、ブラジルに暮らしている恩恵を感じることも少なくなかった。
ただ、それでもこの停止処分が長引けば「なぜ問題のない自分までもが」との気持ちが利用者の中で高まることも十分考えられる。当局にはその点も踏まえた判断をお願いしたいところだ。(陽)