第一アリアンサ文化体育協会(ACEPA、弓場的(ひょう)会長)が主催する「第一アリアンサ入植100周年盆踊り」が7日晩、同総合グラウンドで開催された。同村は1924年に長野県民によって開拓された村で、11月には入植100周年式典を行う予定だ。当日はサンパウロ市からも関係者が駆け付け、同地区人口を大きく超える4千人が参加して盛大に祝い踊った。
1922年1月29日、日本力行会の永田稠(しげし)会長と移民の輪湖俊午郎氏が尽力して岡田忠彦長野県知事、今井五介貴族院議員、小川平吉衆議院議員らが発起人となって「信濃海外協会」が設立され、長野県民の海外移住を促進した。1924年5月、同協会が候補地の選定、10月には日本から派遣された永田氏が購入契約を締結し、11月から実際に移住地建設を開始した歴史がある。
それを記念する100周年の盆踊りを盛大に行うために、クラウドファンディングを立ち上げ、目標金額を大きく上回る157万6千円を集めた。その資金で、新調した記念法被に身を纏い、各家庭の名前が記されたのぼりを作成、打ち上げ花火も盛大に打ち上げられた。
同地区は人口1200人、うち日系人は200人の小さなコミュニティながら、準備から運営まですべてを村民が手作りで行い、演奏も地元バンドグループによる生演奏で行われた。当日、同祭には近隣都市を中心に約4千人が参加した。遠くサンパウロ市から数十年ぶりにアリアンサに来たという人もいて、村民曰く「今までで一番の来場者数だ」と言う。
焼きそば、うどん、たこ焼き、かき氷、饅頭、かりんとうなど、すべて村民の手作りの料理の屋台が立ち並んだ。アラサツーバの太鼓グループによる演奏のほか、特別セレモニーでは、村内の少女や青年女性が巫女に扮して舞を披露したり、この日のために新しく制作された盆踊りや村の青年による神輿も披露されるなど賑わいを見せた。
休憩時間には、長野県で今なお行われている盆踊りである「松本ぼんぼん」の曲をブラジルの若者がアレンジして踊る場面があり、地区内の中高生が学校の法被を身に纏い、踊る姿が見られた。
地元の弓場農場出身でサンパウロ市在住の熊本舞さんは、「一人一人がすごく心を込めて準備をしたなっていうことが伝わってきました。この提灯一つとっても竹から作ったり、櫓も料理も手作りで、みんなのご先祖様に対する感謝とアリアンサへの愛がつまっているなと思いました。アリアンサを作ってくれたご先祖様たちも、この花火を見てくれてるかなっていう思いでお祈りしながら見ました」と感激しながら話した。
アリアンサ100周年の企画から携わり、クラウドファンディングも立ち上げた、長野県からアリアンサに派遣されているJICA青年海外協力隊員の赤羽晋治さんは、「去年の12月の段階から準備と計画が始まり、長い準備を経て、過去最多のお客様にお越しいただきました。会場の外には70もののぼりが立ち並び、櫓の周りには200個の提灯が明かりを照らす様子は本当に美しかったです。村人たち一人一人と、支援してくださった方々のおかげです」と感慨深げに感謝の気持ちを表した。