坂本農水大臣にぶら下がり取材=「日系移民がブラジル農業育てた」

ぶら下がり取材に応じた坂本農水大臣

 10日夜に来伯した坂本哲志農林水産大臣(熊本県・73歳)は、11日午後2時からサンパウロ市のホテル「チボリ・モハレジュ・サンパウロ」で記者団のぶら下がり取材に応じた。坂本大臣は、今回マットグロッソ州クイアバで12日と13日に開催されるG20農業大臣会合に出席し、世界の食料安全保障について議論する為に来伯した。

 11日午前中、イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑や日本移民史料館、熊本県人会などを訪問した後、同ホテルにて開催された「日伯農業・食料対話官民合同ビジネスミッション官民合同ビジネスセミナー」にも途中から参加し、同セミナー後にぶら下がり取材に応じた。
 ブラジルは世界有数の農業大国であり、特に大豆は世界1位の生産量を誇る。その背景には日本政府のセラード開発や日系人の努力がある。坂本大臣にこれらに対する考えを聞いた所、「遠い地ブラジルに移民としてこられた方々の大変なご苦労とご努力が今のブラジル農業を育てたと感じています。特に大豆は世界の中でも生産量が多く、日本を含めた多くの国にとって欠かせない存在にまで成長しました。それらは日系移民のこれまでの、そして今現在でも継続されている努力のおかげ。心から敬意を表すと共に、これからのブラジル農業と日系社会がどのように広がっていくのかにも注目していきたいです」と述べた。
 その他メディアからの質問の中で、北海道産帆立をブラジルへ輸入する際の規制についての解決策を問われた際には、「日伯間での基準の違いから輸入規制など課題はまだまだありますが、今回のセミナーを一つのきっかけとして日伯両国で協議を積み重ねて解決していきたい。そして日本の良い食材をよりブラジルで知ってもらえるように政府としても努力していきたい」と述べた。
 また、ブラジル産の牛肉を日本に輸出する為の規制緩和についての質問に対しては「両国間でこれまで以上に協議を行い、課題解決に向けて努力していきたい」と述べた。

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