ブラジル中部ゴイアス州のアパレシーダ・デ・ゴイアニア市で6日、スーパーマーケットの経営者と従業員らが、店内の1足のサンダルを万引きしたとして28歳の男性に暴行を加え、焼き殺す事件が発生した。被害者男性はその後、郊外の農村地帯に遺棄され、10日に死亡が確認された。容疑者らは逮捕され、犯行を認めたが、1人の従業員は勾留審問後に解放された。10日付G1など(1)(2)が報じた。
事件を担当するアドリアノ・ジャイメ警部によれば、被害者の男性はスーパーマーケットでの万引きが見つかった後、店のバックスペースに連行され、経営者と3人の従業員から鉄の棒で暴行を受け、アルコールで体に火をつけられた挙句、トラックの荷台に乗せられ、隣接するイドロランジア市ノヴァ・ファティマ地区の農村地帯に放置されたという。
彼は這いながら近くの農場で助けを求め、ゴイアニア州立緊急病院に搬送された後、集中治療室で治療が行われていたが、10日に息を引き取った。被害者は体の80%を火傷していた。
ジャイメ警部は、「被害者は救助された際にはまだ意識があり、誰が犯人であるかを我々にはっきり伝えた。容疑者らは警察に対しては犯行を自白したが、逮捕状が発行されると同時に黙秘を続けた」と説明した。また「殺意は明らかだった。被害者を生命の危険にさらされる場所に意図的に放置したことからも示される」とも述べた。
被害者には強盗罪で逮捕された前科があり、今年3月以降、電子足輪を着用した監視下にあった。彼の死亡を受けて、スーパーマーケットの経営者と従業員らは殺人容疑で捜査されている。
スーパーマーケット側の弁護士マルシオ・バルボーザ・ジ・アンドラーデ氏は声明で、被害者の死を悔やみ、企業が被害者の家族に対して経済的支援を行うと述べたが、被害者がナイフを持って店に入り、複数の商品を盗み、1人の従業員を傷つけたと主張しており、事件の真相は裁判で明らかになると述べている。