サルバドール日本文化祭り盛況=8万人来場「熱気がすごい」=日本語センターもブース初出展

 サルバドール日伯文化協会(ANISA、マルセロ・ナオト・シミズ会長)による「第16回盆踊りサルバドール日本文化祭り」が8月30〜9月1日の3日間、バイーア州サルバドール市の同市展示公園で行われた。初日と2日目は雨に見舞われたものの約8万人(入場料20~40レ)が来場し、名物の盆踊りや日本食、伝統芸能、文化体験などを楽しんだ。連邦政府文化省やバイーア州政府文化局・経済局が共催する本格的な文化イベントだ。

 初めて参加した日本語センター理事の榎原良一さん(71歳、山梨県出身)は、「たくさんの若い非日系人が伝統的な盆踊りの輪に入って楽しそうに踊っているかと思えば、コスプレも多い。ダンス音楽好きなバイーアだけに熱気がすごい。県連日本祭りとアニメ・フレンズを一緒にした感じ。日系人が少ない地で、これだけの日本祭りをやるのは本当にすごいこと」と感心した様子。
 屋根付き仮設大テントが設営され、櫓で手本の踊りを見せる浴衣姿の日系人らを参考に、グルグルと回りながら非日系人が輪に加わっていく。サンパウロ州やブラジル南部で人気のマツリダンスはなく、伝統的な盆踊りが中心なのに体の切れがやけにシャープな若者がおり、さすがはアフロ音楽の中心地だと感じさせる場面も。

 会場内には音楽ショーや伝統舞踊などの「春ステージ」、武道、相撲などの「夏ステージ」、そして今年新たに設けられたアニメや漫画などのポップカルチャーに特化した「未来ステージ」が設置された。
 未来ステージにはアニメ「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空の吹き替え声優として有名なワンデル・ベゼラ氏や、SF映画の吹き替えで知られるグラウコ・マルケス氏らが出演した。会場内には子どもや若者がコスプレ姿で歩く姿も多く、互いに写真を取り合うなどして交流する姿も見られた。通常の日本食コーナーに加えて、お金のない若者向けにカップヌードルコーナーも設けられていた。
 来場者はほぼ非日系人であり、日本文化が当地に浸透し、高い関心が寄せられていることが見受けられた。マルセロ会長は「祭りの来場者の多くは若者層。未来ステージは初めての試みだったが大成功だった」と振り返った。
 サンパウロ市のブラジル日本語センターは初めてブースを出展した。「全伯日本語学校生徒作品コンクール」の金賞作品展示、しおりに日本語で名前を書くワークショップ、また日本語学習のニーズ調査などを行った。ブース前にはセンターの活動を紹介する動画が流れ、来場者が足を留めて見入る姿もあった。

 同センター研修コーディネーターの堀口亜也さんは「人の多さに驚き、日本の良さがブラジルに受け入れられていることを感じた」と祭り全体の感想を話す。ブースは終日盛況で、ワークショップには300人以上が参加。「日本語教育に興味がある人が多く、今後のサルバドール地域の未来も明るいと感じた」一方で、「地域の日本語学校の存在を知らない人も多かった。興味があっても、情報が行き届いていないことが課題だと感じた」と振り返った。
 同センターによる日本語学習のニーズ調査には約280人が回答し、結果は同センターホームページなどで公開予定だ。

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