国家交通局(Senatran)の調査によると、ブラジルでオートバイを所有する3420万人のうち、53・8%に当たる1750万人が運転免許証を取得していないことが判明したと、14日付G1など(1)(2)が報じた。
オートバイはブラジルで非常に多く利用されている交通手段で、特に貧困層が多い北部や北東部地域では顕著だ。だが国内で流通しているオートバイ所有者の半数以上はカテゴリーA(2輪または3輪でエンジン付の車)の運転免許を持っていない。
Senatranによれば、免許取得者数は増加傾向にあり、全国有資格運転者登録(Renach)のデータによると、カテゴリーAを持つ運転者自体は現在3940万人を超えている。問題は、オートバイの免許を持っていない人がその所有者として登録されている点だ。
Senatranによるとその理由はさまざまで、「無免許でオートバイを運転している」可能性を否定しない一方で、カーシェアリングサービスなど、最近急成長しているタイプの投資ビジネスや、親族など融資を受けやすい人の名義でオートバイを購入したケースもあるという。
ブラジルでは3400万台を超えるオートバイが登録されており、これは全国の車両総数の28%に相当する。これは増加傾向にあり、向こう4年以内にオートバイの新規登録が年間登録総数の半分を超えると予測されている。
具体的なデータでは、2019年上半期は53万台のオートバイが登録されたが、その後毎年増え、2024年同期間では93万3千台に達し、76%の増加を示した。この成長は、パンデミックの影響で一時的に生産が減少したにもかかわらず、その後の回復によって需要が高まっていることを反映している。
地域別に見ると、北東部マラニョン州ではオートバイが車両総数の59・7%を占め、北東部ピアウイ州および北部パラー州がそれぞれ54・5%で続く。
サンパウロ州は最も多くの台数が登録されており、700万台に達し、ミナス・ジェライス州が次いで350万台、バイア州が3位で200万台となっている。
また、ブラジル自動二輪製造者協会(Abraciclo)のデータによれば、2024年の最初の8カ月間で100万台のオートバイが生産されており、これは2012年以来の最高記録となっている。
Senatranによると、オートバイが自動車に代わって選ばれる主な理由は、経済的な要因にあるとされる。オートバイは初期コストやメンテナンスが比較的安価で、燃費が良い。都市部の交通渋滞においてはオートバイがより高い機動性を提供し、目的地に迅速に到達できる利点がある。よって貧困層が多く、公共交通機関のインフラが限られている地域ほど、オートバイの選択が促進されている状況だ。