入植70周年=ボリビアにあるオキナワ=小さな村の壮大な歴史=(8)海外初『琉球絵巻行列』披露

『琉球絵巻行列』の様子

 大迫力――。沖縄芸能の披露は祝賀会でその場にいる者を一遍に魅了した。今回は特に70周年を記念して、オキナワ第1〜3青年会、ボリビア琉球舞踊団、琉球國祭り太鼓、日本語学校、沖縄県から参加した青年らが総出演し、祝賀会を華やかに彩った。
 中でもコロニア・オキナワで沖縄芸能が見事に継承されていることを示した、青年会、ボリビア琉球舞踊団による琉球王国の華やかな行列行進を再現した『琉球絵巻行列』にはひときわ大きな拍手が送られた。
 同地における芸能指導の中心的役割を担っているのが、新垣美奈さん(20歳・3世)と安里三奈美さん(36歳・うるま市)だ。
 新垣さんは、2000年11月3日に創設された琉球國祭り太鼓ボリビア支部の支部長を務めている。同支部には現在、日系人よりも日本文化が好きなボリビア人が多く所属しているという。
 ボリビアに太鼓製作所はなく、支部設立当時からメンバーが手作りした太鼓で演奏を行っている。古くなった太鼓を演奏中に力一杯打つと穴が空くこともある。最近では、新しい太鼓作りと道具を大切に扱う意識の醸成を兼ねて、メンバーと太鼓製作を積極的に行っているという。
 新垣さんは「沖縄芸能文化を次世代にも引き継いでほしいと思っています。エイサーを通してうちなんちゅーの誇りを伝えていきたい。日系人の参加も増えるよう頑張りたいです」と語った。
 安里さんは2018年、結婚をきっかけにコロニア・オキナワに移住した。現在はボリビア琉球舞踊団の代表兼指導者をしている。
 ボリビア琉球舞踊団は2022年4月、コロニア・オキナワで沖縄の伝統文化の継承・普及を目的に設立された。青年を中心に約15〜20人が活動している。

 安里さんによれば『琉球絵巻行列』が国外で披露された例は聞いたことがなく、「おそらく今回が国外初のことだと思います。琉球文化を世界に伝えることができ、大きな成果を得られたと感じています」と話した。
 『琉球絵巻行列』で使用された国王の衣装や、「うちゅう」と呼ばれる神輿、扇や旗はすべてボリビアで手作りされた。
 最終演目の『ダイナミック琉球』には琉球王朝文化、琉球舞踊、エイサー、空手、手踊りなど、沖縄芸能のすべてが盛り込まれた。
 安里さんは「多くの出席者の方から『生まれて初めて見る演目があった』と嬉しい言葉を沢山いただきました。今後も沖縄芸能の継承を続け、皆さんに披露していきたいです」と今後の展望を語った。(続く、島田莉奈記者)

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