ブラジル中央銀行金融政策委員会(Copom)は18日(水)、予想通り基本金利(Selic)を25ベーシスポイント引き上げ、年率10.75%とすることを決定した。中央銀行理事会の決定は全会一致で行われ、Copomのメンバー9人全員が引き上げに賛成した。
決定に関する声明の中で、Copomは、活動の回復力、労働市場の圧力、プラスの生産ギャップ、インフレ予測の上昇、固定されていない期待に特徴付けられる現在のシナリオは、より収縮的な金融政策を求めていると評価した。
中銀委員会は、インフレ見通しシナリオのリスクバランスに上方非対称性があると考えている。そのリスクとは、インフレ予測が長期にわたって固定化されないこと、サービス・インフレが予想以上に底堅く推移すること、インフレに影響を与える内外の経済政策が組み合わされること、などである。
それ以前の午後3時(ブラジリア時間)、米国では連邦準備制度理事会(FRB)の決定が発表され、基本金利が0.50%ポイント引き下げられ、より緩やかな0.25%ポイントの引き下げを予想していた一部の投資家(少数派だが)を驚かせた。
その結果、ブラジル株式市場のベンチマークは、決定の数分前に約0.45%下落していたが、午後3時過ぎに急速に反転し、0.11%の小幅ながら135,000ポイントを突破した。その後も小幅な下げと上げの間を行ったり来たりしたが、最高値は135,203ポイントとなり、0.18%の上昇となった。ボベスパ指数は0.90%安の133,747ポイントで取引を終えた。決定後に1%以上下落したドルも、0.47%安の5.46レアル前後で引けた。
しかし、ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が午後3時30分に記者会見で発言し、市場の米基本金利引き下げ観測を後退させたことから、指数は上昇幅を軟化させ、下落に転じた。 ノバ・フューチュラ・インベスティメントスのチーフ・エコノミスト、ニコラス・ボルソイ氏が指摘するように、パウエル議長は記者会見で、0.5ポイントの利下げ決定に対する金利市場の反応を和らげた。「予測はFRBが利下げを急ぐことを示唆するものではなく、0.5%の利下げは次回の利下げのシグナルではなく、次回の決定は調整可能であると述べることで、パウエル議長は市場がより積極的な利下げを織り込まないように努めた」とエコノミストは指摘し、パウエル議長はまた、FOMCを次回の会合に向けてデータ依存の姿勢に置いたと指摘する。
「このように、パウエルはFRBが急速なサイクルを望んでいるが、6月に想像されたものよりも積極的なサイクルは望んでいないという予測レポートの見方を補強している」と指摘。
パウエル議長のコミュニケーションは、決定文書よりも中立的なトーンだったということだ。また、パウエル議長が、より激しい利下げは米国経済の低迷に対する懸念の高まりのシグナルとなり、市場の弱体化にもつながりかねないとの見方を和らげようとしたことも注目に値する。いずれにせよ、FOMCに関する予想は比較的予期されていたものの、ここ数日の予想の変化は大きかった。今回の決定で、ドルは主要通貨に対して強さを失う一方、リスク資産への関心が高まるはずで、株式市場を押し上げる可能性がある、とRBインベスティメントスのチーフ・ストラテジスト、グスタボ・クルス氏は言う。
FRBの動きは、金融政策委員会(Copom)の決定に先立つものだ。Selic金利は0.25%ポイント引き上げられ、年率10.75%になるというのが大方の予想で、実際にその通りになった。テンデンシアスのエコノミストはリポートの中で、「次回の会合で利上げペースを加速させる余地があるかどうか、その発表が注目される」と述べている。
クルス氏によれば、ブラジルの対外シナリオはこの45日間でかなり改善され、ブラジル中央銀行による大幅な利上げの必要性は低下している。しかし、中銀が利上げを検討する可能性はまだあるという。