沖縄農牧総合共同組合(CAICO)は1971年、コロニア・オキナワ第1〜3移住地にそれぞれあった農業組合を合併して設立された。現在、約140人の組合員が所属し、組合長は今年で任期4年目となる具志堅正さん(58歳・2世)が務めている。具志堅組合長にコロニア・オキナワの主産業である農業を支えるCAICOについて聞いた。
CAICOは、コロニア・オキナワで大豆や小麦の生産を行い、それらの加工、製粉、搾油、種子選別、保管施設を有している。パスタ製造工場や土壌、作物、農薬、肥料分析ラボも備え、生産品は国内のみならず、ペルーなどの近隣国にも輸出している。近年は、沖縄とのビジネス交流が積極的に進められ、JICA支援の下、CAICOと沖縄企業が互いに視察訪問を行っているという。
コロニア・オキナワでは10〜15年前、毎年のように水害が発生し、不作が続いた。その影響で日本へデカセギに行く者が多く出た。その後、生産は回復したものの、最近は気候不順による不作が起きやすくなっており、所属農家を悩ませている。また、雑草や病害虫対策のため、農薬の使用量が増加傾向にあることに対する懸念も強まっているという。
こうした中、CAICOでは安定的かつ持続的な高い収益性を持つ事業体制の構築に注力している。具志堅組合長は「ここ2~3年は穀物相場が良い為、経営を保てている農家も少なくないが、農業は自然環境の影響を受けやすいので、しっかりとした事業体制の構築は不可欠。製麺事業や沖縄への製品輸出を促進して、組合の継続と発展を期したい」と語った。(島田莉奈記者、続く)