ブラジル沖縄県人移民研究塾(宮城あきら代表)は28日(土)午後3時、サンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会本部会館(R. Dr. Tomas de Lima, 72)で『群星』第10号発刊記念「講演と意見討論会」を行う。入場無料。ブラジル日本都道府県人会連合会およびブラジル沖縄県人会後援。
案内のため12日、宮城代表、高良律正ブラジル沖縄県人会会長、島袋栄喜同元会長、新里哲夫同評議員が編集部を訪れた。
ブラジル沖縄県人移民研究塾では、県人移民史をまとめた機関誌『群星』の発刊事業に取り組んでいる。このほど第10号が完成し、同イベントで販売を開始する。
第10号のテーマは「埋もれた歴史の探求」。同号では『ブラジル沖縄県人移民史 笠戸丸から90年』(同県人会刊行委員会、2000年)の刊行委員長・山城勇さんのインタビューを掲載。同会にとっても550頁という大部の本格的歴史書編纂となり、数々の論文やレポルタージュが掲載され、重厚かつ広範な内容が網羅されており、決定版的な1冊になっている。その苦労話を山城さんから直接に語ってもらうもの。
同号ではさらに、7月25日の連邦政府による日本人移民迫害に対する公式謝罪で、沖縄県人がその実現に大きな役割を果たしたことから、公式謝罪の持つ歴史的意義や、公式謝罪の現場に参加した県人のインタビューなども掲載する。全280頁。販売価格50レアル。
イベントでは『群星』編集長を務める宮城代表が講演を行い、政府公式謝罪を実現させた「力」はどこから生まれたのか、謝罪請求運動に参加した人々はどんな想いを抱いていたのかなどを語る。宮城代表は「政府謝罪が得られたいま、次に我々がすべきことはこの事実を歴史にしっかりと定着させ、後世に伝えること」と講演イベント開催の意義を述べた。
講演後は一般参加者を交えての意見討論会を行う。高良会長は「政府謝罪という歴史的な出来事を日系社会がどう受け止めたのかを知り、社会に周知することは非常に重要なこと。ぜひ皆さんの意見を聞かせて欲しい」と語った。
ブラジル沖縄県人移民研究塾では『群星』第11号の発刊準備を進めている。第11号は「連邦政府の謝罪特集」となる予定で、今回の政府謝罪に対する読者の意見を募集している。同誌編集員を務める新里評議員は「一連の事件を歴史的にしっかりと整理するためには多くの視点と意見が必要。後世によりよく伝えるためぜひご寄稿下さい」と呼びかけている。意見の送り先は担当(メール375mina@live.jpもしくはNYE455@hotmail.co.jp)まで。