ブラジル福島県人会(佐藤フランシスコ会長)は15日午前、サンパウロ市の同会館で「県費留学・研修生説明会」を開催し、予想を大きく上回る61人が参加した。
当日は、JICAボランティアの企画調査員で、福島市出身者の布田雄哉さんが「福島の魅力」について講演した。布田さんはエクアドルに派遣され、母親もJICAボランティアとして中米で活動した経験があり、「親子そろってJICAボランティア」という珍しい親子。豊富な海外経験を踏まえ、福島の魅力を存分に紹介した。
県人会の留学・研修担当理事、高垣ルシアさんが条件の説明をした他、2023年度県費長期留学生(10カ月)だった高垣ミノルさんも留学について実体験を踏まえて説明し、「会津大学の食物栄養学科で学び、病院も見学して実際に患者に出す料理を作る経験をさせてもらうなど、貴重な体験ができた」とコメントした。
また、実際に昨年1月に短期研修生として福島県を訪れた渡辺フェルナンダさんは、「日本では1月は冬なので、会津では雪が積もっていました。ブラジルには雪が降らないため、とっても新鮮な体験だった」などとわずか9日間とは思えない濃縮した研修経験を語った。
特に「福島県はフルーツ王国として有名だが、中でもイチゴは有名。新品種の『ゆうやけベリー』を味見させてもらったが、人生で食べた中で一番美味しかった!」と強調し、一般的に甘くないブラジルのイチゴと比較して驚いた様子だった。
佐藤会長は「留学や研修に興味を持っている人が大勢います。私の予想では来場者15人ぐらいかと思っていましたが、その4倍も来ました。本当に良かった。でも短期研修に行けるのは一年に中南米からたった2人だけです」との狭き門だ。
27日が短期研修の締め切りで、22日には応募者のインタビューを行い、26日には福島県にメールでフォームと書類を送ることになっているという。昨年に関しては「当県人会から10人の応募者がフォームを書いてインタビューを受けましたが、実際、誰も行けませんでした」。
佐藤会長は「以前はもっとたくさん短期研修に参加できた。今は本当に少なすぎると思います。もっと増やしてもらわないと、福島との交流が遠くなって行くと思います」と残念そうに語った。