サンパウロ州沿岸部プライア・グランデ市にあるマンション内の浴室から隠しカメラが見つかった。このマンションに住む若夫婦一家は4年前から同物件を借りて住んでおり、電球を交換中に偶然カメラを発見した。室内の様子が録画送信されていたかどうかはまだ捜査中だが、この出来事は瞬く間にSNSで広まり、世間の関心を集めている。23日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
このマンションはビーチから徒歩5分の好立地にある。問題の部屋にはアンジェリカさんと夫、赤ん坊の息子と3人で生活している。隠しカメラは浴室の天井のソケットに差し込まれ、「点灯」していたという。
この機種はネット接続がある限り、ライブブロードキャストが可能だという。専門家によれば、デバイス(隠しカメラ)の所有者は動画ファイルをダウンロードするために設置場所近くに頻繁にアクセスする必要があると付け加えた。このカメラは一般的なショッピングサイトで自由に購入できる。この機種は「パン、チルト、ズーム」ができず、レンズの方向のみの動画が撮影される。
アンジェリカさんは「浴室でよく息子を着替えさせていました。とてもショックで悲しいです」と述べ、プライバシーの侵害を恐れていると強調した。室内の様子が録画されていたのかどうかは現在も捜査中だが、家族はその可能性に対して非常に不安を感じているという。
発見後にアンジェリカさんが物件の所有者に連絡をとったところ、彼女も大きなショックを受けたという。アンジェリカさんは「彼女はこのマンションを購入したとき、十分に調べることなく賃貸に出したようです。私たちが最初の住人となりました。彼女も同様に心を痛めています」と説明した。
この件に関して、刑法専門の弁護士ジエゴ・レノルジ氏は、捜査官が機器の設置責任者を特定する必要があるとし、その人物は無断で性的プライバシーを記録した罪に問われるべきだという。
無断での性的プライバシーの記録に関する刑法第216条―Bを引用し、被害者の同意なしにヌードや性的行為を録画することが含まれると説明した。レノルジ氏は「この種の行為はブラジルや世界中でますます増えており、技術の進化によって容易になっている」とし、この犯罪に対する罰は6カ月〜1年の懲役と罰金だという。カメラを設置した人物を特定するため、警察は入居者以前にその物件を使用していた全ての人から証言を集めている。
一方で、民法専門弁護士のユーリ・ルフィーノ氏の見解は、賃貸物件で隠しカメラが発見されたことは、賃貸契約の重大な違反を意味すると述べた。同氏は、この状況が入居者のプライバシーを侵害しており、これは憲法によって保障された基本的な権利であると強調した。
ルフィーノ氏は「この状況は、精神的損害に対する賠償請求の権利を生じさせるだけでなく、契約の早期解約を正当化することもできる」と説明。彼によれば、賃貸契約は賃貸人が安全で適切な物件を提供し、入居者のプライバシーと権利を尊重することを求めている。「この場合、賃貸人の客観的責任は故意の証明に依存せず、物件の完全な安全を保証できないことに基づく」と結論付けた。