26歳の母親が、自宅で6歳の息子を刃物で刺して殺害した後、首を切り落とす残忍な事件が起こった。近隣住民の通報により駆けつけた警察によると、首のない子供の遺体が台所の床に横たわり、そばにいた容疑者は子供の頭を膝に乗せて座っていたと言う。この時、容疑者が警察に襲いかかろうとしたため、警察官が容疑者に向けて発砲。14発の銃弾を受けた容疑者は、事件から1週間経った現在も昏睡状態で入院中だ。容疑者は以前から自宅アパートの敷地内を、ナイフを手に徘徊したり、興奮した様子で近所の人を威嚇したりする奇行が目撃されており、精神病院への通院歴があった。27日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
事件は20日、ブラジル北東部パライバ州の州都ジョアン・ペソア市にあるマリア・ロザリア・ゴンサルヴェス・メンデス容疑者が1人で住むアパート内で発生した。息子のミゲルくんは、容疑者の両親と同居しており、週に数日だけ母親と一緒に過ごしていたという。
近隣住民によると、事件前日の19日午後8時頃、容疑者宅から子供の泣き声が聞こえ始めたという。ミゲルくんは助けを求め「怖い」と叫んでいたため、住民の1人が心配して容疑者宅を訪ね、何が起こっているのか、助けが必要かなどを尋ねたという。
同住民によると、親子一緒に玄関ドアに出てきたが、マリア容疑者は明らかに怯えており、ミゲルくんは裸で泣いていたという。この時、彼の体に暴行の跡は見られず、母親は「ミゲルはバスルームにいた」と述べ、「息子は自閉症でとても手がかかる」と主張。迷惑をかけたことを謝罪し、息子を落ち着かせると述べたという。
しばらくは子供の叫び声が聞かれなくなったが、翌日の午前3時ごろ、再び物音が聞こえ始めた。住民らは、ドアがバタンと閉まるような騒音で目覚めたといい、「助けて、死んじゃう」「ママ、怖いよ」「助けて、助けて」「ママ、愛してる」と繰り返す子供の悲鳴を聞き、警察に通報した。
午前4時10分頃に現場に踏み込んだ警察は、床に散らばった血痕と子供の遺体、そして子供の頭部を抱えて座る容疑者を発見。次の瞬間、容疑者は立ち上がり、手に2本の刃物を持って警察に襲いかかろうとしたため、警察は容疑者に向けて発砲した。彼女は地面に倒れ、手錠をかけられ、救急車で病院に搬送された。容疑者は担架にのせられた際も暴れ、手錠を外そうとしてハサミを掴んで自殺を図ったという。
マリア容疑者は隣州ペルナンブコ州出身で、2020年にパライバ州に引っ越してきたという。犯行現場のアパートには1カ月ほど前に入居したばかりで、近所付き合いは希薄だった。犯行動機については何もわかっていない。
現場を目撃した警察官らはショックを受け「非常に野蛮で悲惨な状況だった」と述べ、心理カウンセリングも受けた。3人は予防休暇中だという。
容疑者は現在も緊急治療室で昏睡状態にあり、容態は深刻とみられている。まだ入院中であるため、身柄拘束の審問も受けていないが、退院次第、女性刑務所に送られる予定だという。