ブラジルの元大統領で、現在は新開発銀行(NDB、通称「BRICS銀行」)総裁を務めるジルマ・ルセフ氏は9月29日、中国から友好勲章を授与された。この勲章は同国政府が外国人に授与する最高栄誉だ。キューバの元共産党トップ、ラウル・カストロ氏に次いで中南米からの2人目の授与者となったと同日付ポデール360など(1)(2)(3)が報じた。
これは中華人民共和国成立75周年の祝典の一環として実施され、人民大会堂で行われた授賞式には習近平国家主席も出席した。
ジルマ氏は「この75年間で中国は経済的、社会的、文化的、政治的に前例のない近代化を遂げた」と述べ、中国がいかにして世界第二の経済大国となり、革新技術、教育、科学のリーダーとなったかを賞賛した。同氏は、この急速な発展が他の開発途上国にとっての模範となると考えている。
「中国は、異なる経済成長モデルや政治・社会の発展が可能であることを示している」と述べ、中国が採用した戦略が類似の課題に直面する国々に適応可能であるとした。中国が何百万もの人々を貧困から救った成功を称賛し、社会福祉に焦点を当てた発展の重要性を強調した。
ジルマ氏は道路、鉄道、港湾などの大規模なインフラプロジェクトを通じてアジア、欧州、アフリカを結ぶ「一帯一路構想」にも注目。同氏はこの構想が科学、技術、教育などの分野で国家間の結びつきを強化するための重要な節目であると考えている。
今年8月15日、ブラジルと中国は外交関係樹立50周年を迎えた。ジルマ氏は、ルーラ大統領と習近平氏との間で交わされたメッセージを振り返り、習氏が両国を「良き友人であり、手を携えて進むパートナー」と表現したことにも言及し、両国のパートナーシップは相互の尊重と国家間の平等に基づく協力であり、「我々は対等な立場で接しているが、これは国際関係において稀なことだ」と強調した。
中国が2009年からブラジルの主要な貿易相手国であることを指摘し、インフラやエネルギーなどの戦略的分野における中国の投資の重要性を強調。特に環境問題に関する国際フォーラムにおける両国の協力は、再生可能エネルギーの推進や気候変動への対策において重要であると述べた。
この栄誉は、中南米における中国の戦略的パートナーとしてのブラジルの重要性を象徴しており、ジルマ氏は「私はブラジルと中国の友好関係、協力、相互利益が今世紀、そしてその先も続くよう貢献することを約束する」と述べ、両国が相互成長と発展に向けて引き続き尽力すると表明した。
この勲章は2016年に創設され、中国と諸外国との交流と協力を促進し、中国の社会主義現代化に顕著な貢献をした者に授与される。ジルマ氏はこの栄誉を授与された12人目の外国人となった。歴代授与者にはロシアのプーチン大統領などがいる。