ブラジル中西部ゴイアス州アナポリス市で9月27日、児童青少年保護局(DPCA)の女性局長アリネ・ロペス氏は、自分の娘を強姦した疑いのある容疑者を拘束するために、冷静に脚に発砲した。容疑者が証人に対して攻撃の兆候を示したため、現場にいた彼女が安全確保のために撃った。アリネ氏は8歳の時に父親を殺害されたことをきっかけに警察官を志し、児童や若者の権利を守るための活動に情熱を注いでいる。9月30日付G1サイト(1)が報じた。
この事件はジュンディアイ地区にある警察署内で起きた。警官が不在中、容疑者が被害者である自分の娘を無理やり部屋から連れ出そうとしたため、アリネ氏が容疑者と衝突したという。現場には14歳の被害者少女とその母親、証人が同席していた。
アリネ氏は容疑者の腕から少女を奪い、別の部屋に連れて行くことに成功したが、しばらくして署前の広場で待ち構えていた容疑者に再び遭遇。証人が車に告訴状の登録に必要な書類を取りに行く必要があったため、アリネ氏が彼女の安全を考慮し、付き添うことにした。
次の瞬間、容疑者が証人の方に向かって近づいてきたため、アリネ氏が距離を置くように警告を発したがますます接近してきた。何度も言葉を交わした後、容疑者が攻撃しないよう脚を撃った。
アリネ氏によれば、この容疑者は、娘からの通報を阻止し、検査を受けさせまいとする意図があったため、手続き上の強要罪で起訴された。彼は病院に運ばれ、現在はそこで拘留されている。
この強姦事件については、詳しい状況はまだ捜査段階にあるという。今のところ警察が把握しているのは、母親と14歳の少女に精神的な問題があること、少女が父親にされたことを近所の人に報告したことなどだ。容疑者は弱者に対する強姦罪で捜査される。
現在40歳で3児の母でもあるアリネ氏は、2014年に市警に事務員として入職し、2019年に採用試験に合格して警部となった。父親の死をきっかけに、他者を守るための仕事に就くことを志してきたが、憧れのポジションを勝ち取るまでに様々な困難に直面してきた。
彼女は「私は裕福とは言えない家庭で育ち、公立学校に通い、その後奨学金を受けて公立大学で勉強した。苦労の末に捜査官になることができた」と振り返った。
アリネ氏は、DPCAトップとして活動することがキャリアにおける最大かつ最もやりがいのある挑戦だと述べた。「身体的、性的、または心理的な暴力を防ぎ、その悪循環を断ち切ることで、被害者に人生の新たなスタートを提供できることが最大の喜びだ」と説明した。