6カ所同時美容整形手術で死亡=24歳女性、医師にお勧めされ

亡くなったヴィヴィアン・リラ・モンテさん(Foto: Reprodução)
亡くなったヴィヴィアン・リラ・モンテさん(Foto: Reprodução)

 ブラジル北東部セアラ州内陸部ソブラル市で、24歳の女性が同時に6カ所の美容整形手術を受け、22日後に死亡した。女性は乳房の縮小手術、腹部・腕・背中・首の脂肪吸引、臀部の脂肪注入施術を受け、肺塞栓症を起こして入院していたが、9月26日に他界した。翌27日には25歳の誕生日を迎える予定だった。
 当初は2カ所の手術を受ける予定だったが、執刀医の勧めでさらに4カ所が追加されたという。女性の親族は、手術の翌日に退院させられたことに対して医療過失を訴えている。10月1日付G1など(1)(2)が報じた。
 死亡したヴィヴィアン・リラ・モンテさんの親族によると、彼女は8月31日に手術を受け、翌9月1日に当直医から退院を命じられたという。帰宅した直後、ヴィヴィアンさんは胃に激しい痛みを覚え、尿が出ず、体にしびれがあると訴え、低血圧で失神寸前になった。
 親族が執刀医に連絡すると、彼はヴィヴィアンさんを緊急治療室(UPA)に連れて行くように勧めた。UPAの医師は彼女を肺塞栓症だと診断し、病状が重篤であるため、北部地域病院の集中治療室(ICU)に移送する必要があると警告した。
 親族によると、美容整形手術を行った医師はヴィヴィアンさんの入院2日目に病室を訪れ「手術は成功した」と告げ、「引き続きICUの医療チームと連絡を取り合い、状況把握に尽力する」と話したという。
 ヴィヴィアンさんの容態は日に日に悪化し、輸血を受け、細菌と真菌による感染症を患った。乳房手術の傷口が開き、腕の手術部位からは体液や膿が漏れ出ていた。9月25日に急激に悪化。緊急手術が必要となったが、手術を受ける前に彼女は2度の心停止を起こし、気管挿管を受けたが助からなかったという。
 執刀医はヴィヴィアンさんが亡くなる数時間前に再度病院を訪れたが、ICUチームに電話をかけた後、親族と顔を合わすことなく立ち去ったという。
 ヴィヴィアンさんの夫レナンさんによると、「妻は当初、乳房の縮小と腹部の脂肪吸引を希望していた。しかし医師との初診で割引価格を提示され、『すべてうまくいく』と説得されたために、さらに多くの手術を行うことを決めた」のだという。その執刀医は手術代として約3万レアル(79万円相当)を現金で支払うように要求した。
 ヴィヴィアンさんの友人であるアイルトンさんは、「多くの医師から口を揃えて『同時にすべての手術を行うことは不可能だ』と言われ、拒否されていた。しかし、彼(執刀医)はそれを引き受け、さらに手術カ所を増やした。ヴィヴィアンとの間でどのような話があったのか、どのような夢が語られたのか、医療ミスがあったのか、それともただの不幸だったのかは、我々はわからない。ただ一つ確かなことは、他の医者はこんなにも多くの手術を同時に行うことはないということだ。彼の無謀さや過失、彼女を騙したのではないかという疑いを強めている」と訴えた。
 ヴィヴィアンさんの親族が警察に被害届を提出し、現在はソブラル市警察署が捜査にあたり、状況を慎重に調査している。

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