2024年、ブラジルを訪れた外国人観光客数が過去最高の年となる可能性が高い。理由は国際便増加とレアル安が挙げられ、ブラジル国際観光振興会(Embratur)によれば下半期に300万人以上の外国人がブラジルを訪れる見込みだという。3日付G1(1)が報じた。
9月初旬にサンパウロ市のサッカースタジアムで開催されたNFL(ナショナル・アメリカンフットボール・リーグ)の試合は、サンパウロ行きの国際航空券の購入を促進し、旅行ブームを引き起こした。Embraturの調査によれば、2023年同期比で、8月第1週における米国からサンパウロへの航空券購入が133%増加し、ポルトガル、英国、カナダ、チリ、アルゼンチンからも同様に急増した。
オンライン旅行代理店デコラール社のデータによれば、2024年下半期に販売されたパッケージツアーのトップ10には、ポルト・セグーロ(バイア州)、レシフェ(ペルナンブコ州)、サルバドール(バイア州)、マセイオ(アラゴアス州)、ポルト・アレグレ(リオ・グランデ・ド・スル州)、ナタル(リオ・グランデ・ド・ノルテ州)、リオ(リオ州)、フォルタレーザ(セアラ州)、フォス・ド・イグアス(パラナ州)、フロリアノポリス(サンタカタリーナ州)が含まれている。
ブラジルでは「ロック・イン・リオ」などの大規模な音楽フェスティバルや「F1」のようなスポーツイベントも頻繁に開催され、これが国内各地からの観光客を引き寄せる要因となっている。
Embraturは、2024年下半期にブラジルの港や空港に到着する外国人観光客が300万人を超えるとの予測を立てており、年末までに640万〜650万人に達する見込みだ。これが実現すれば、今年はブラジル観光業にとって史上最高となり、2018年に記録した600万人の大台を超える可能性があるという。
デコラール社の製品担当ディレクターであるダニエラ・アラウージョ氏は、2024年下半期のブラジル行き旅行パッケージに対する外国人の需要が、2023年同時期と比較して2倍以上に増加したことを強調している。観光客の多くはブエノスアイレス(アルゼンチン)、サンティアゴ(チリ)、モンテビデオ(ウルグアイ)、ニューヨーク(米国)から来ているという。
観光業の成長には、利用可能な路線増加とレアル安が大きな要因となっている。Embraturのマルセロ・フレイショ会長は、2024年の最初の7カ月間に国際便供給が19・9%増加したことを述べている。
この傾向はセアラ州において外国人観光客の需要が全国平均を22%上回っていることからも明らかだ。同州フォルタレーザの国際空港では、ラタム社のマイアミ路線の再開、ゴル社のオーランド路線の新設、ゴル社のマイアミ路線の増便により、米国からの観光客が92%増加している。
さらにチリからの観光客の関心が高まっており、チリとブラジルの間の航空便の座席数は2022〜24年の間に約233%増加している。
フレイショ氏は「レアル安は、競争相手に比較した時のブラジルの魅力を高めており、特に中南米市場について言えば欧米に比べて平均航空券が安いため、ブラジルでの長期滞在が好まれる」と説明した。