UAEが4千億円を投資=マカウバで新バイオ燃料開拓

マカウバの実(Jose Reynaldo da Fonseca, via Wikimedia Commons)
マカウバの実(Jose Reynaldo da Fonseca, via Wikimedia Commons)

 アラブ首長国連邦はブラジルに150億レアル(約4千億円)を投資し、マカウバというヤシ科植物を利用した新たな農業の可能性を探求している。ブラジルの熱帯および亜熱帯地域に生しするマカウバの実は、大豆の最大7倍の油を生産できる特性を持ち、バイオ燃料市場において重要な役割を果たす可能性があると、3日付CPG(1)が報じた。
 ムバダラ・ファンド傘下のエネルギー企業アセレン社が、バイーア州マタリペ市に持続可能な航空燃料(SAF)工場を建設中であり、これにより約1千億レアルの経済効果と約9万人の雇用が期待されている。
 このプロジェクトは劣化した牧草地を再生し、マカウバ栽培を通じてカーボンクレジットを獲得することにより、環境保護にも寄与する。
 伯農業研究公社(EMBRAPA)元総裁のマウリシオ・アントニオ・ロペス氏は、マカウバが石油生産や食品、化粧品、さらにはバイオ燃料への応用においても、大豆と同等の重要性を持つ可能性があると指摘している。アラブ首長国連邦の投資は、ブラジルの農業の持続可能性を高めると考えられており、再生可能燃料のグローバルリーダーとしての地位を確立する助けとなることが期待されていると述べた。
 アセレン社とEMBRAPAの連携により、マカウバの生産プロセスの効率化が進めば、ブラジルは再生可能エネルギー市場での競争力を一層強化できると考えられている。
 近い将来、マカウバは他の油脂作物、例えばパームオイルと同じくらい競争力を持てるようになる可能性があるとされる。マカウバの経済的利益や環境保護の効果を最大限に引き出すために、遺伝子操作や栽培方法の最適化は重要なステップとなる。マカウバは新たな農業のスターとして台頭し、ブラジル経済に大きな影響を与えることが期待されている。

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