枯葉で選挙ビラを手作り⁈=持続可能な選挙運動で市議再選

市議会議員に再選したガブリエル・ビオロジア氏(7日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)
市議会議員に再選したガブリエル・ビオロジア氏(7日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)

 地方選の投票が6日に行われ、北東部セアラ州フォルダレーザ市の若き市議、27歳のガブリエル・ビオロジア氏(社会主義自由党・PSOL)が再選を果たした。生物学者(ビオロジア)である彼は、環境保護の重要性を強調し、「持続可能な選挙運動」を展開したことで注目を集めた。選挙ビラに紙を一切使用せず、枯葉を活用する独自の手法を取り、同市の環境問題への意識向上に大きく貢献している。7日付オ・グローボなど(1)(2)(3)が報じた。
 ブラジルでは選挙期間中「サンチーニョ」と呼ばれる、立候補者の顔写真や候補者番号、選挙公約などが記載された小型の選挙用ビラの配布活動が行われる。資源の無駄遣いはもちろんのこと、問題なのは、選挙直前に投票所やその周辺の道路で大量のビラをばら撒く伝統が存在することだ。
 この行為は投票直前に有権者に印象を与える目的があるのだが、公職選挙法に違反する不正な選挙運動に該当し、罰金や拘禁刑の対象にもなる。環境汚染や火災の危険性が高まり、歩道の凹凸が隠れて滑りやすくなり怪我をするケースも報告されている。(3)(4)
 2期目の再選を果たしたガブリエル氏の選挙戦は、持続可能な方法で行われたことで特徴付けられる。「選挙期間中に配布される紙の量は、50ページの本4千万冊に相当する可能性がある。それらの紙を積み重ねると、地球を143周するほどの量になる」と説明した。
 ガブリエル氏は枯葉を利用し、その上に自身の氏名と候補者番号を記載することで、サンチーニョを手作りし、環境負荷を軽減。全ての宣伝をSNSに集中させた。これにより、選挙運動における環境問題への関心を高め、多くの有権者の共感を呼んだ。
 「我々は、多くのゴミや廃棄物を出さずに選挙運動が可能であることを市民や他の政治家に示したかった。これは完全に生分解可能な素材で、地面に捨てても問題なくコストはゼロだ。一つずつ心を込め、全て手書きで作成した」と説明した。
 同氏は、環境問題への強い意識を持つ若手政治家として、再選後も同市の環境政策に力を入れる意向を示している。自身の当選を通じて、持続可能な都市づくりやごみの適切な処理、さらには市民の環境意識向上に取り組むことを約束している。

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