スピート違反か、強盗からの逃亡か――ギリシャ人のメレティオス・バルンパスさん(46歳)が、リオ州幹線道路104号線を車で走行中、強盗犯に襲われ、頭部を撃たれて死亡した。速度違反自動取締装置(オービス)のために、車を減速させた直後の出来事だった。注意深さが逆に命取りになったと、8日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
事件は6日(日)の夜、被害者が妻と10歳の息子と共に、同州リゾート地のブジオス市からリオ市南部のコパカバーナ地区への帰宅中に、サンゴンサロ市を走行している際に発生した。
速度違反自動取締装置のために、バルンパスさんが車(ジープ・コンパス)のスピードを落としたところを見計らい、バイクに乗った二人組の強盗犯が近づき、車を止めるよう指示した。
しかし、バルンパスさんは加速して逃げようとしたため、強盗は数発を発砲。弾丸1発が運転席側の窓ガラスを粉砕し、バルンパスさんの頭部に命中した。彼は病院に搬送され、緊急手術を受けたが、翌7日未明に死亡が確認された。
同乗していた家族は、犯行の一部始終を目撃したものの、怪我などはなく無事だという。目撃者によれば、犯人は発砲後、諦めて逃走したといい、現在も行方が分かっていない。
バルンパスさんはブラジルに11年間在住しており、ブラジル石油公社ペトロブラス社で石油タンカー点検に従事していた。彼には祖国ギリシャに住む二人の子供もいた。彼の遺体は8日午後、ニテロイ市のペンドティバにあるパルケ・ダ・コリーナ墓地に埋葬された。
警察は現在、監視カメラの映像や目撃者の証言を元に捜査を進めるとともに、ポスターを公開し、情報提供を呼びかけている。
また、同犯行はリオ市を本拠とする国内最大級の犯罪組織「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」が支配する地域で行われたため、関連性についても調査が進められている。