アメリカからCOPANIに参加した一瀬リリーさん(21歳・2世)はボストン大学に通う学生で、両親はラスベカスで複数の日本食料理屋を経営する日本人だ。
ラスベカスに日系人や日本人のコミュニティはなく、両親の友達以外でそうした人々と関わる機会はないという。
幼少期には「おにぎり臭い」など差別的なことを言われることもあり、リリーさんは「日本人というのが恥ずかしく、聞かれても名字は知らないと言っていた」と話す。
しかし、大学に入ったことで世界が変わった。学内には日系人や日本からの留学生もおり、そのコミュニティと関わる内に自然と「自分のアイデンティティは何だ?」と考えるようになった。
「今まで他の人と違う自分の生い立ちはマイナスのものだと思っていましたが、色んな人に出会って、それは『私にしかない世界』であり、ユニークな価値のあるものだと気づきました。それからは自分の生い立ちが誇りを持って輝き出しました」と笑顔で語った。
リリーさんは現在、大学で日本人・日系人グループの活動に力を注いでいる。元々は、集まって遊ぶだけのグループだったが、運動会や文化を伝えるイベントを行う正式な組織にした。活動費の調達は自分たちで行なっている。
「グループ参加者が今後も集まってくれるかわからないので、なくなってしまうかもしれません」と話すリリーさんだが、今後はビジネスに関する活動も行うことで、参加者の層を広げながら、縦の繋がりも強くしていくという。
COPANIには、大学でのグループ活動を通じてその存在を知り、参加を決めた。COPANIでは同世代の日系人と多く出会い、「暮らす国は違くても、アイデンティティに抱く想いやもっと日系社会に貢献したいという気持ちはみんな同じでした」と満足し気な表情を見せた。