街角ちょっと見=ジャパニーズウィスキーの販売拡大=トラドブラス、富山産「十年明」

ジャパニーズウィスキー「十年明」を手にする三浦社長(左)と酒専門家の飯田アレシャンドレ龍也さん

 ブラジルの日本産品輸入会社「JFCトラドブラス」(キッコーマングループ・三浦正寛代表取締役社長)が、ジャパニーズウィスキー「十年明 Rouge」(若鶴酒造)の輸入卸販売を開始した。
 若鶴酒造は富山県の酒造会社で、日本に3社しかない日本酒とウイスキーを製造する蔵元だ。特に同蔵元のウイスキーは、北陸地方で唯一蒸留されたもので、その希少性は高い。
 トラドブラスがこのウイスキーの輸入手続きを始めた当初、日本国内でウイスキーブームが起こり、供給不足が発生。出荷に1年以上の遅れが生じた。近年は出荷量が安定し、安定的な輸入が可能となった。輸入開始当初は一部の飲食店でのみ取り扱われていたが、今年7月からは小売店やオンライン日本酒販売サイト「アデガ・デ・サケ」でも購入できるようになった。
 同ウイスキーはスコットランドから輸入されたピーテッドモルトを使ったブレンデッドウイスキーで、国際的なコンテスト「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」でもゴールドメダルを受賞している。
 三浦社長は「昨年の輸入開始時に皆さんから好評を頂き、やっと安定的に供給できるようになりました。スモーキーでマイルドな味わいが特徴で、ロックやハイボールでも美味しくいただけます。ぜひレストランや小売店で楽しんでもらいたいです」と語る。
 近年、ブラジルでは日本酒や焼酎の需要が高まっているが、それらに比して、ジャパニーズウィスキーの認知度は低く、輸入量も少ない。新たな商品流通を通じて、魅力的な日本の酒がブラジルでさらに広まることを期待したい。(淀)

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