ロシアのプーチン大統領は18日、11月18日〜19日にリオで開催されるG20首脳会議(サミット)に出席しないと発表した。同氏は、ウクライナへの軍事進行をめぐる戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されているため、自身のサミット出席が会議進行を妨げる可能性があるとし、代わりに別の政府高官が参加すると述べた。同日付イスト・エ誌(1)(2)(3)などが報じた。
ブラジルはICCの124の加盟国の一つで、同裁判所の命令を遵守する義務がある。プーチン氏のこの決定は、ウクライナのアンドリー・コスティン検事総長がブラジルに対し、プーチン氏がブラジル領内に入った場合に逮捕するよう要求した4日後に下された。
プーチン氏は記者会見で、「ルーラ大統領とは良好で友好的な関係にあるが、わざわざ行ってフォーラムの進行を妨げる理由がない」と語った。ロシアはブラジルと二国間協定を結ぶことで、逮捕状を回避できるとも主張した。
さらにプーチン氏は「たとえICCの問題を無視したとしても、皆そのことばかり話すだろう。結果的にG20の進行を妨げることになる。それに何の意味があるのか」と述べた。
2023年12月のドイツのベルリンを訪問時に、ルーラ氏はプーチン氏に対し、G20首脳会議のためにブラジルを訪問することのリスクを警告した。ルーラ氏は、ブラジルがプーチン氏を招待する予定であることを伝えたが、「彼には訴訟があり、その結果を評価しなければならない」と指摘した。
ICCはプーチン氏を、2022年2月のウクライナ侵攻後に、同国の子供たちを誘拐した責任があると非難している。ICC判事によれば、プーチン氏は部下の軍事関係者がウクライナ占領地からロシア領内に子供たちを不法に移送するのを阻止しなかったとされている。
ロシアはICCの加盟国ではなく、戦争犯罪の疑いを否定し、逮捕状を「無効で無意味」としている。プーチン氏は9月、ICC加盟国であるモンゴルを訪問し、逮捕状に異議を唱えた。これはICC加盟国への初めての訪問であり、ウクライナ側はモンゴルにプーチン氏を同裁判所に引き渡すよう要請したが、それは実現しなかった。加盟国の司法機関が逮捕しない限り、ICC自体には令状を執行する手段がないという。
同記者会見でプーチン氏は、ウクライナの戦争終結に向けた中国とブラジルの共同提案についても言及し、「バランスの取れた内容であり、解決策を見出すための良い基盤を提供する」と述べた。
また、ロシア軍はウクライナに勝利を収めるために戦闘を継続する準備が整っていると強調した。