オレオレ詐欺で7千万レ被害=刑務所内に巨大〝恐喝産業〟

「13の集落作戦」で押収された携帯電話や違法薬物(Foto:Divulgação)
「13の集落作戦」で押収された携帯電話や違法薬物(Foto:Divulgação)

 22日付G1(1)によるとリオ州市警は同日、刑務所内から携帯電話を使用して詐欺を働き、2年未満で7千万レアル(18億5千万円相当)を盗んだ犯罪組織「イスラエルの民(Povo de Israel、PVI)」に対する大規模捜査を開始した。「13の集落作戦」と題された同捜査は、既に収監されている首謀者、さらには詐欺に関与した疑いのある刑務官5人も捜査の対象となっている。
 PVIは04年にアグア・サンタ刑務所で設立された。構成員は主に、レイプ犯や小児性愛者、同性愛者など他の派閥に拒絶された犯罪者で、刑務所に不法に携帯電話を持ち込み〝恐喝産業〟を作り出した。同組織には現在、13刑務所で1万8千人の受刑者が加入しており、他州にも勢力を拡大中で、その活動は広範囲にわたっている。
 PVIの詐欺手口には主に二つのタイプが存在する。一つは特殊詐欺であり、受刑者が刑務所内から電話をかけ、誘拐された親族を装って相手を騙す。被害者がその話を信じると、別の受刑者が電話を引き継ぎ、恐喝して身代金を要求する、いわゆるオレオレ詐欺の手法だ。
 もう一つは偽の料金請求だ。この手口は、受刑者が商業施設に電話をかけ、地域の麻薬密売人を装って未払いの料金を主張。その際、店舗に対して報復を仄めかすことで、金銭を脅し取ろうとするものだ。
 反誘拐捜査隊(DAS)の捜査官は、44件の捜索および押収令状を執行するために出動した。標的の中には、犯罪者を助けている疑いのある5人の刑務官も含まれ、刑務所内でも捜査を行っている。
 リオ市南部では、同組織の脅迫行為によるマネーロンダリングを行っていた宝石店が摘発された。警察によると、1663人の個人および201の法人が資金洗浄に利用されていた。
 捜査によると、組織内には明確な役割分担があることがわかった。刑務所内で使用する携帯電話の入手を担当する受刑者は「企業家」、被害者に電話をかけ、脅迫の声を模倣する受刑者は「泥棒」、そして恐喝で得た金銭を銀行口座で受け取る外部の協力者は「ラランジャ」とのあだ名で呼ばれている。電話した本人は奪った金の30%、残りは犯罪組織の取り分になる。

最新記事